冷蔵庫に隠れた不法滞在の男(画像は『自由時報 2019年1月8日付「警再逮4落跑越南團員 驚見外勞「塞冰箱」快窒息」(黃旭磊翻攝)』のスクリーンショット)

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昨年末、台湾の高雄でベトナムからの団体客148人が集団失踪する事件が起きた。高雄市警察局では各分局から優秀な人員を集め逃亡者の行方を追っていたが、このほど逃亡した4人と不法滞在者4人を台中市内のアパートで逮捕した。警察官の突入に気付き、冷蔵庫の中に隠れた者もいたという。『自由時報』『蘋果日報』などが報じた。

事件が起きたのは昨年12月のこと。団体客は21日と23日に分かれて高雄から入境しその後、逃亡した。台湾では観光客誘致のためベトナムやインドネシアなど6か国からの団体客を対象にビザ申請手続きを簡素化する制度を実施しており、この制度が悪用された。

警察は防犯カメラの映像を調べ、逃亡したベトナム人観光客4人が高雄市内のホテルからタクシーに乗り新竹市で降りたことを突き止めた。運転手とタクシー会社社長から事情を聞いたところ、密航のベトナム人らを手引きしていた男の存在が明らかになった。警察は社長から男の滞在場所を聞き出し、逮捕に至ったそうだ。

逃亡者らは警察官がドアをこじ開け突入する様子に気付くと、それぞれが部屋の中で隠れようとしたという。警察官が現場にいた男6人、女1人を床に伏せさせて身元を確認すると、4人が逃亡者、3人がビザ切れの不法滞在者だった。しかしそこに、手引きした男はいなかった。

ところが男の居場所を聞き出そうとしていると冷蔵庫から音が聞こえ、中に隠れていた男を発見した。男は冷蔵庫の中に20分あまり隠れていたため、寒さで震えが止まらなくなったようだ。

手引きしていたのはベトナム国籍の26歳の黄という男で、台湾に来て3年半になるという。はじめは合法的に働いていたが、ビザが切れた後も滞在を続け、ベトナム現地に連絡を取り不法滞在の手引きをするようになった。工事現場などで働かせ、自身も同じ場所で働いていた。

なお『中央廣播電台』が報じたところでは、9日午後5時時点の移民署統計によれば集団失踪した148人のうち33人が逮捕され、34人が自首、81人が今も逃亡を続けているということだ。移民署では被疑者1人につき上限4000元(約1万4000円)の懸賞金を設け、情報提供を呼びかけている。

画像は『自由時報 2019年1月8日付「警再逮4落跑越南團員 驚見外勞「塞冰箱」快窒息」(黃旭磊翻攝)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)