新年ぐらいは時代劇を取り上げようってんで、制作会社(C.A.L.)から送られてきた案内資料の大きな東山紀之の顔を見ると、随分と貫禄が出てきた。大岡越前というと、昔は知的な加藤剛の当たり役だったが、東山も負けず劣らず品がよくて知的である。少年隊で踊っていたとはとても思えない。今回は大岡忠相の5歳の息子の話。

徳川吉宗(平岳大)から越前守は米の増収のために新田開発の「関東地方御用掛」を命じられる。今の新宿が「内藤新宿」と呼ばれて江戸から西の方へ旅する場合、新宿で一泊せねばならないくらい遠かったので、JR中央線でちょちょっと行ける武蔵野が、はるかに彼方の土地だったというのが面白い。つまり江戸を留守にするのだ。

そこで農民を守る地主の川野平左衛門(西郷輝彦)と出会い、百姓側の事情を教えられる。その間、江戸では忠相の息子が別の子供と間違えられて兇賊の手に誘拐されててんやわんや。最後はカッコよく忠相が馬で駆けつけるというお約束通りの顛末。廃れて久しい時代劇ドラマだが、新春に1つぐらいは見たい映像である。

今年は大河ドラマも現代もので、根っからの時代劇ファンのお年寄りたちが新年早々所在なげである。演歌が廃れ、時代劇が廃れ、平成も終わって昭和も遠くなり、唯一ともいえるテレビ桟敷の前で、「何でもかんでも若者志向でつまらない」と娯楽の少ない地方のお年寄りたちは嘆いている。C.A.L.に頑張ってもらわねば(笑)。評価点の蘭ひとつはオマケ。(放送2019年1月4日20時〜)

(黄蘭)