輸入再開後、日本初輸入となるカナダ産牛肉を試食するジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使(撮影:吉川忠行)

写真拡大 (全2枚)

牛海綿状脳症(BSE)問題で輸入停止になっていた北米産牛肉の輸入再開決定を受け、業務用肉のスーパー「肉のハナマサ」は27日、輸入したカナダ産牛肉約8トンの販売を始めた。同日、銀座店で、ジョゼフ・キャロン駐日カナダ大使を招き、試食会を兼ねた即売会「サンプルフェアー」を開いた。カナダ産牛肉の輸入は約2年7カ月ぶりで、同社によると、解禁後、日本初輸入という。同フェアーは28日も行われる。

 今回輸入した牛肉は、日本政府が示した輸入条件にのっとり、生後20カ月以下の牛の部分肉。約8トン(牛60頭分)と少量なため、同社担当者は「1、2日で売り切れると思う」と話す。同社では、本格的な輸入は、カナダ産、米国産とも1月末から2月上旬からになる見込みという。

 同フェアーでは、同社の小野博社長が「待ちに待ったカナダの牛肉の輸入が解禁された」と喜びを語った。キャロン大使は「カナダ産牛肉が2年ぶりに日本市場に戻って来られた。日本向けの牛肉は、検査済み施設で処理し、出生日が確認されたものなので安心して下さい」と、安全性をアピールした。その後、小野社長とキャロン大使は、カナダ産牛肉を試食、カナダ産牛の特設コーナーが設けられた店内を見て回った。

 店舗入り口では、一般客向けに試食コーナーが設けられ、買い物客らが久しぶりの味を味わっていた。会社員男性(67)は「やわらかくておいしかった。売り場で売られていたら買いたい」と語った。一方、30代OLは「ジューシーでおいしかった。買うかどうかは、安全面で少し不安かも」と複雑な消費者心理をのぞかせていた。【了】

■関連記事
危険部位をフグ毒に喩え説明(12/22)
牛肉解禁「科学的根拠ない」(12/16)
牛肉解禁、消費者に不安の声(12/15)
国民不安の中、牛肉輸入を再開(12/12)
吉野家、「牛丼」復活は年明け(12/9)
牛肉輸入再開 6割が“不安”(11/8)
牛肉輸入再開へ調査委が答申案(10/31)

■関連リンク
肉のハナマサ