日本代表に追加招集されたDF塩谷司

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 朗報はバカンスのため家族と過ごしていたマルタに届いた。アジアカップに出場する日本代表に追加招集されたDF塩谷司(アルアイン)は「(代表スタッフから)電話がかかってきたとき、まさか追加招集とは思わなかった。(UAEで合宿中の日本代表が)こっちで何か必要なこととか聞きたいことがあったのかなと思った」と冗談交じりにおどけた。

 昨年12月に行われたクラブワールドカップで準優勝したアルアインは12月22日の決勝レアル・マドリー戦のあと、同28日に国内カップ戦を戦い、オフに入っていた。塩谷自身、連絡を受けたときは「長い休暇をもらって、家族とヨーロッパに行っていたときだったので、ちょっとビックリした」と、地中海に浮かぶ有数の観光地であるマルタ島に滞在していたという。

 代表スタッフからの一報のあとには森保一監督からも電話をもらった。「ケガ人が出てしまったということで、『いろんなポジションができるところを評価している』『力を貸してほしい』と言われた」。指揮官直々の“ラブコール”に奮い立たないはずがなかった。

 急きょバカンスを切り上げ、自宅のあるアルアインに戻って、陸路で日本代表が合宿するアブダビに移動してきた。12年夏からアルアインに移籍する17年6月まで森保監督率いる広島でプレー。恩師との久々の再会に「あんまり変わらないなと。日本代表のシャツを着ているけど、森保さんは森保さんだなと感じた」とその印象を話すと、「森保さんは広島でも“いかに練習を厳しくして試合で楽をするか”ということを言っていた。厳しい練習をやったあとに試合での勝利が待っていると」と、合流初日の練習を終えて懐かしさも感じていた。

 15年10月以来の代表選出。その舞台が普段プレーするUAEで開催中のアジアカップとなったことに「UAEに来たとき、一つの目標にしていた。この大会に出られるようにという思いはあった」と打ち明ける。とはいえ、「一つの目標は達成できたけど、通過点」と、ここで満足するつもりもない。

「呼ばれただけでなく、日本が優勝するために自分にできる最大限のことをしたい」。15年1月のアジアカップにも招集されていたが、出場機会を得られぬままチームもベスト8で敗退。「前回もアジアカップに呼ばれて試合に出られなかった。しっかり練習からバチバチ、アピールしていきたい」。中東でもまれ、心身ともにタフさを増した30歳のサイドバックがひと回りもふた回りも大きくなって日本代表に戻ってきた。

(取材・文 西山紘平)