2得点をあげチームを勝利に導いた4番のDF二階堂正哉(左)【写真:Football ZONE web】

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前半は互いにロングスローから1点ずつを奪ってタイで折り返し

 第97回全国高校サッカー選手権準々決勝、青森山田(青森)対矢板中央(栃木)の一戦が行われ、ロングスローが得点に直結する攻防は2-1で青森山田が逆転勝利。

 2大会ぶりの優勝に向けて4強入りを決めた。

 2大会前の選手権王者と昨年度大会のベスト4、そして今年度も高円宮杯プレミアリーグとプリンスリーグ関東で結果を残した強豪校同士の一戦ということもあり、会場の等々力陸上競技場は数多くの観客が詰めかけた。

 キックオフ直後からMF檀崎竜孔(→北海道コンサドーレ札幌)、DF三國ケネディエブス(→アビスパ福岡)と2人のJ内定者を擁する青森山田が主導権を握り、前半2分にはDF澤田貴史のロングスローからニアサイドの三國が頭で合わせたがクロスバー直撃。いきなりの先制とはならなかった。

 青森山田がボールを握る展開が続くが、前半14分に矢板中央がワンチャンスを生かす。右サイドからのロングスローは一度跳ね返されたものの、再び右からクロスを上げると、ゴール前で完全フリーとなった167センチのMF眞島聖弥がヘディングシュート。ふわりとした軌道でゴール右隅に収まり、矢板中央が1-0と先制に成功した。

 その後も矢板中央の鋭いカウンターが何度か発動する場面があり、青森山田としては嫌な流れだったが、前半終了間際に勝負強さを見せる。再びロングスローからMF武田英寿のボレーシュートをDF二階堂正哉が頭でコースを変える。このシュートに矢板中央GK安西駿も反応できず、1-1の同点に追いついて前半を終えた。

後半26分、ロングスローから最後は二階堂が仕留めて勝ち越し

 矢板中央の高橋健二監督はハーフタイムで決断を下す。ゴールを奪った眞島に代えてフットサルU-19日本代表でもあるFW大塚尋斗をピッチに送り出したのだ。

 しかし、後半最初のチャンスをつかんだのは青森山田。セットプレーの流れから檀崎が左からクロスを佐々木が頭ですらすと、ボールは枠内へ。しかし矢板中央のキャプテンでDF白井がクリア。10分には青森山田の波状攻撃から最後は檀崎がシュートを打ったものの、ゴールわずか左に外れた。

 後半26分、試合を動かしたのはまたしてもロングスローだった。青森山田の澤田が左サイドからロングスロー。その跳ね返りを拾ってクロスを送ったボールをFW佐々木銀士が頭ですらすと、またしても二階堂のもとへ。このボールを右足で蹴り込み、この日2ゴール目が大きすぎる勝ち越しゴールとなった。

  1点を追う形となった矢板中央は154センチのアタッカーMF板橋幸大を投入したものの、青森山田の堅守を崩せず。アディショナルタイム直前にはクリアミスを拾った矢板中央DF後藤裕二がGKとの1対1を迎えたが、青森山田GK飯田雅浩がビッグセーブを見せた。東北の雄が冬の王者奪回へ、埼玉スタジアム行きの切符を手に入れた。(Football ZONE web編集部)