カリスマ投資家の内田衛氏は「2019年は安易に株を買わないほうがいい」と言う。投資は難しい局面に来ているようだ(写真:Fast&Slow/PIXTA)

昨年12月に株式市場は大きく下落した。カリスマ投資家の内田衛氏は、どうやら、下落の局面で日ごろ買いたいと思っていた銘柄を仕込んだ。内田氏は2019年の相場をどう見ているのか。早速「株日記」で見てみよう。

誰も「買いたくない」と思うときこそが「買い場」かも

【12月17日 月曜日】先週末の日経225先物は、80円安の2万1220円。NYダウは496ドル安の2万4100ドル。1ドル=113.37円、1ユーロ=128.12円。

業務用厨房機器大手のホシザキ(6465)が、不適切な取引行為判明による第3四半期報告書提出遅延で、監理銘柄(確認中)指定となり大幅安。1060円安の6340円、一時1450円安の5950円まで下げる場面があった。今年の高値は、6月22日に付けた1万1890円である。この会社は、10年前の2008年12月に上場し、売り出し価格は1株750円だった。


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当時、友人から「IPO(新規株式公開)で野村證券から勧められているが、どうか?」と聞かれたけど、リーマンショック(2008年9月)直後で、こんな不景気に業績がいいわけがないので、よく調べもしないで「申し込みしないほうがいい」とアドバイスしてしまったことがあった。

もしあのとき750円で買えていれば、2018年高値では、10年間で株価が15.8倍にもなったわけだ。「誰も買いたくない」と思っているこういうときが、買い場なのだという教訓になった。引き続き、動向に注目したい。JASDAQ指数が、年初来安値更新、マザーズ指数も3.2%安。しかし日経平均株価は132円高の2万1506円。2週間前の12月3日は、7日続伸の2万2574円で、今思えば、ここが最後の売り場だったな。

【12月18日 火曜日】日経225先物は、450円安の2万1000円、NYダウは、507ドル安の2万3592ドル。IPOは、今年91社で、過去10年で最高水準となり活況だったとの報道。日経平均は、391円安の2万1115円と9カ月ぶり安値。「サラリーマンはボーナスで株を買うべきか」という記事を書いた(2018年11月23日配信)が、このとき書いた趣旨は「ボーナスが出たからといって、すぐに投資してしまった人は、今日現在では早くも含み損を抱えている可能性が高い。「含み損を抱えて苦しむ」などということにはなってほしくないという気持ちで書いたのだが、読者にこの気持ちが通じただろうか?

【12月19日 水曜日】日経225先物は、90円安の2万0980円、NYダウは、82ドル高の2万3675ドル。ソフトバンク(9434)上場。初値は公開価格よりも37円(2.5%)安い1463円、終値218円安(14.5%)の1282円と初日は公開価格を大きく下回ってしまった。ブックビルディング(新規申し込み)中の通信障害、ファーウェイ問題、米中貿易戦争激化によるNYダウ株安、世界情勢不安定化など「悪材料満載の最悪の状況」なので、これも仕方ないかな。

今、ソフトバンク株を「損切り」する必要はない

私はとくに孫正義さんのファンということでもないが、公募価格1500円で3200株の保有株は、「損(孫)切り」する理由がないので、保有中。8社に各1000株ずつ申し込んでいたが、8000株までは買えず結構ハズレて3200株になったのだが、これも「不幸中の幸い」か。

株価が値上がりする材料としては、2019年1月30日の大引けでのTOPIXの組み入れの買い需要があることや、3月末の配当権利取り狙いの買いも期待できる。また、12月21日の日経朝刊15面の宮内謙社長の記事では、株主優待も検討しているそうなので、期待したい。今日の売買は、日産自動車(7201)を920円で100株買い、サンワテクノス(8137)を1060円で500株ナンピン買い。日経平均は、127円安の2万0987円と続落。

【12月20日 木曜日】日経225先物は、320円安の2万0600円、NYダウは、351ドル安の2万3323ドルと1年1カ月ぶり安値水準。一時、530ドル安まであった。FRBが、3カ月ぶりに2018年4回目となる利上げ(0.25%で政策金利は2.5%)を発表した。2019年の利上げは、3回から2回とペース減速、2020年は1回と発表した。

ソフトバンク上場2日目、「(先日の)通信障害で1万人解約」との報道で、売り気配スタート。9時09分、99円安の1183円で寄り付き、106円安の1176円の安値を付け、14時31分には、28円高の1310円の高値を付け、大引けは14円高の1296円で引け、乱高下相場となった。今日の売買は、楽天(4755)を800円で100株買い、鈴木(6785)を550円で100株買い(計1700株)、ジャックス(8584)を1800円で5000株買い(計5万5000株)。日経平均は、595円安の2万0392円と3日続落。一時、3月26日に付けた年初来安値2万0347円を下回り、年初来安値更新。海外投資家の売り越し、31年ぶり高水準と報道。

10月に保有株の10万株(5年間保有)を売った個別指導受験塾のリソー教育(4714)が、逆行高。38円高(10%)の418円で東証1部値上がり率第1位。ゴールドマン・サックス証券が、投資判断を新規買いで目標株価600円と発表したから。11月末で1:3の株式分割をしている。リソー教育株では、5年間の売買と配当で、1億0400万円の利益となったので、十分満足しているのだが、結果的には、売らないほうがよかったな。

【12月21日 金曜日】日経225先物は、60円高の2万0270円、NYダウは、464ドル安の2万2859ドル。

立会外分売で、ジュエリーのクロスフォー(7810)を309円で1000株買う。申し込み上限が1000株だったので1000株申し込んだのだが、通常はハズレるか、当たっても100株程度なのだが、全部買えてしまうとは、いかに地合いが悪いかということが感じられる。

鈴木を541円で100株買う。レンタカーと中古車輸出のトラスト(3347)を200円で1000株買う。今年の3月に保有株1000株を300円で売っているので、優待目的で買ってみた。ひふみ投信のレオス・キャピタルワークス(7330)が25日の上場を取りやめと発表。この相場環境では、賢明な判断だと思う。日経平均は、226円安の2万0166円と4日続落1年3カ月ぶりの安値となった。

日経平均1010円安!でも信用取引ゼロだから心は安定

【12月22日 土曜日】日経225先物は、260円安の1万9790円、NYダウは、414ドル安の2万2445ドル。1週間で6.9%安と10年ぶりの下落率。1ドル=111.31円、1ユーロ=126.44円。

【12月25日 火曜日】シカゴのCME日経が545円安の1万9250円、NYダウは、米政治の不透明で、653ドル安の2万1792ドル。1年3カ月ぶりの安値。12月権利付き最終売買日。日経平均は、1010円安の1万9155円と暴落。

15時15分、日経225先物は、1080円安の1万8970円と1万9000円割れ。こんな中、そろそろ年末なので、通帳記入をしておこうと銀行へ行くついでに、幸楽苑ホールディングス(7554)では、クリスマス特別企画で各店舗先着100人に、極上中華そば(税込421円)が10円というイベントをやっていた。

11時に行ったらお店の前で整理券(83番)を配っていたので、思わずもらって食べてしまった。株が暴落していてこんな心境ではないのだけれど、買いたい銘柄は注文を出しているし、約定すれば携帯に約定メールが届くので、張り付いている必要はない。信用取引をしていればこんな状況ではいられないが、現物株取引のみなので、夜もよく眠れるし、この「心の余裕」がうれしい。日産自動車を848.3円で100株買い、芝浦メカトロニクス(6590)を3150円で100株買い、優待目的で、年1回、12月末権利のきちりホールディングス(3082)を707円で200株買い、同じくユニカフェ(2597)を1000円で100株買う。

【12月26日 水曜日】日経225先物は、180円高の1万9150円。権利落ち日。昨日買ったきちりが、逆日歩7日分で1株当たり44.8円もついた。優待内容は、100株で3000円のお食事券だから、信用取引の売りと現物買いを組み合わせて優待取りをした人は、4480円の貸株料を払って3000円の優待券をもらうことになるので、高い優待券となったな。日経平均は、171円高の1万9327円。ある証券会社では、信用取引の追証発生件数が、アベノミクス以降で最悪水準だったそうだ。

【12月27日 木曜日】日経225先物は、590円高の1万9980円。NYダウは、1086ドル高の2万2878ドル。トラストを194円で500株買い、パルコ(8251)を1050円で200株買い、フレンドリー(8209)を1355円で200株買い、クロスフォーを300円で300株買い、ヤフー(4689)を265円で200株買う。

昨日から受け渡し日が、2019年になり実質的に新年相場入りしたので、NISA口座も新規に120万円付与されたので、「ここは株価も安いのでNISA口座で優待銘柄を買うのにいいかも」と思って早速買ってみた。日経平均は、750円高の2万0077円と大幅高。

安易に株を買わないほうがいい!?

【12月28日 金曜日】大納会。日経225先物は、200円安の1万9820円。NYダウは260ドル高の2万3138ドルと続伸したが、一時、611ドル安まで下げる場面があった。

高分配金目的で買ったトーセイ・リート投資法人(3451)を11万0500円で36口、11万3100円で4口売り、6万9600円の利益確定。買いは、10月24日に公募価格の10万8885円で。新年度初の利益確定となった。日経平均がこんなにも下がらなければ保有継続しているつもりだったが、下がっている他の銘柄に乗り換える目的で売った。日経平均は、62円安の2万0014円とかろうじて2万円台キープしたが、昨年の大納会(2017年12月29日)は、2万2764円だったので、年間で12.08%の下落となり、年足で7年ぶりの陰線(下落)となった。

【12月29日 土曜日】日経225先物は、60円高の1万9900円。NYダウは76ドル安の2万3062ドル。1ドル=110.19円、1ユーロ=126.22円。2019年は、平成時代が終わり、5月に新元号となる節目の年だ。私は以前から心配していたのだが、昭和から平成となった平成元年(1989年)の大納会にバブルの史上最高値3万8915円を付けて大天井を打ち、バブル崩壊となった。日経平均株価は、2018年10月2日に27年ぶりの高値となる2万4448円を付け、その後大きく下落している。元号(時代)の変わる前後で、日経平均株価のトレンドが大きく変わってしまうのではないかと懸念している。

投資初心者や兼業投資家が、比較的簡単に株式投資や不動産投資で成功するには、不景気のドン底で買うことだと思っている。景気のサイクルでは、リーマンショック後、世界的に金利低下、量的金融緩和などで景気回復してきたが、アメリカでは、利上げし金融引き締めをしており、今は好景気から不景気へ転換する時期ではないかと思う。私は、12月の下げ局面で株をたくさん買ってしまったが、2019年は景気が底を打つと実感できるまで、安易に株を買わないほうがいいかもしれない。