L.A.の名立たるクライアントを手掛けるマーケティング&イベント・エージェンシー「No Subject」を一から立ち上げたジャクリン・ジョンソンさんは、現在ビジネスウーマンに向けたオンラインプラットフォーム&オフライン・カンファレンスを運営する団体「Create & Cultivate(C&C)」を成功へと導いている女性。他にも、女性が代表を務める様々なビジネスのアドバイザーとしても活躍し、『フォーブス』や『ウォール・ストリート・ジャーナル』などから現代の注目すべき女性として表彰もされてきたそう。

そんな彼女が、頑張っていたかつての仕事をクビになり、自尊心がボロボロになりながらもCEOとしてのキャリアをスタートしていくまでの過程を、<Marie Claire>から紹介します。転んでもただでは起きなかった彼女の経験談から、たとえ今が最悪でも、ここからすごい未来に繫がるかもしれない…という希望の光が見えてくるかもしれません。

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いつだってがむしゃらに走って、努力を重ねてきたのに…そんな私が“無職”に…? もはや自尊心の欠片も残っていませんでした。

「私は23歳の時、当時急成長していたデジタルメディア会社のPR部門で働くため、ニューヨークからL.A.へ引っ越しました。自分で選んだ道ではありましたが、新しい職場で働き始めて数週間、私の提案するアイディアは片っ端から却下され続け、やる気に翳りが出始めていました。それでも私は諦めませんでした。

もちろん不安にはなりました。自分の価値は会社への貢献度で決まるという思いから、私は壁にぶち当たる度に、自分の価値が下がっていくように感じました。それでも『No』を力に変えて、よりアグレッシブに前へ進み続けようとしました。

しかし、それは(ある意味)間違いでした。

しばらくして、私はクビになりました。『あなたは必死過ぎる、アグレッシブ過ぎる』と。どうやら“会社の空気感に合わなかった”みたいです。色々と丁重に、かつ遠回しに理由を説明されましたが、最終的にはもうそのポジションはいらないからということで、私のキャリアに終止符が打たれたのです。

それは人生初の大きな挫折でした。故郷を捨て、アメリカを横断し、私生活もすべて犠牲にして必死に働いていたのに…。きっと23歳だったら誰もが当然そうなるように、私はボロボロになりました。

私は一生懸命働くのが大好きでした。昔からキャリアウーマン気質で、ちやほやされたり、成功へのレールがあらかじめ敷かれていたりするタイプの女子では決してありませんでした。いつだってがむしゃらに走って、努力を重ねてきたのに…そんな私が“無職”に…? もはや自尊心の欠片も残っていませんでした」

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「それからというもの、私は昼まで布団にうずまり、ひたすら泣き続ける自分を鏡越しに傍観し、宅配ピザばかり注文してはパジャマ姿のままそれを食べる…という日々を繰り返しました。とにかく恥ずかしくて惨めでしたが、なんとかしなければいけないことも分かっていました。そんな生活が3週間ほど過ぎた頃、私はようやく重い腰を上げ、知っている限りのクライアントに、現在仕事を探していて機会があればなんでもやりたいというメールを送ることにしました。

送信ボタンを押したあと、私は再びドン底に突き落とされたような思いに苛まれました。これで、自分の失態をみんなが知ってしまう。きっとみんな私のことをバカにする。『ジャッキーって覚えてる? L.A.に行って大成功するとか思い込んでたあの子よ』と嘲笑われてしまうだろう…と。

しかし、それは世界の終わりではありませんでした。

当時私は、昔からやっていたブログ<Some Notes on a Napkin(ナプキンに殴り書きしたメモ)>を細々と続けていました。その頃は各種ブランドが、ブログを商品広告の新ツールとして捉えるようになってきた時期だったので、私は数カ月間、フリーランスでいくつかのメーカーから送られて来るマーケティング依頼を受けては、ブログを書き続けました。大したお金にはなりませんでしたが、何もしないよりはマシでした。

友達もおらず、ピザばかり食べ、ただ人恋しいからという理由でジムに足を運んでは、暴食したピザのカロリーを消費する毎日。ある夜、あまりの暇さに嫌気がさし、ちょっとは友達でも作ろうと思い立って、ブロガーたちが集まるイベントに出かけてみました。すると、そこである人と出会ったのです。

彼女は起業家を目指しているアマンダ(仮名)という女性で、フルタイムの仕事を辞めてイベント関連のビジネスを新たに立ち上げ、フリーランスになろうと考えている人でした。私たちは共に若く、社交性もあるタイプで、すぐにお互いの状況をシェアし始めました。アマンダは近々オフィススペースを見つけて、そこで新しいイベント関連のビジネスを始めようと計画していると話し、『一緒にやらないか』と私を誘ってくれました。ジムにあるウォーキングマシンが唯一の友達だった当時の私にとって、それは“社会に戻りたまえ”という宇宙からのお告げのように聞こえました。私は2つ返事でその話に飛び乗りました」

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To say the first-ever #ccbeautysummit was a hit would be the understatement of the year. ✨So blown away by @mollybsims, our friends at @allure + every single amazing woman who attended + made today truly magical. 💄💰💅🙌 #BeautyIsBoss #CCBeautySummit 📸 @becki___smithhousephoto

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「瞬く間に、私とアマンダはダウンタウンに見つけたオフィスで仕事をし始めました。と言っても、ビルの上の階に住む男性は週末になるとどんちゃん騒ぎをするし、別の階は美術アーティストの木工作業場兼ギャラリースペースだったりして…素敵な場所とは言い難かったですが、でもそんなことは関係ありませんでした。

私たちは月800ドル(約8万9,000円)のロフトスペースを借りて、たとえエアコンがなくても、IKEAのプラスチック椅子に座って肩を並べ、2人で夢を現実へと変え始めていったのです。

リスクにさらされながらも、私たちは小さな報酬を少しずつ積み上げていきました。そのうちインターンも雇いました。お互いの仕事(私はマーケティング及びソーシャルメディア担当、彼女はイベントプロデュース担当)についても学び、安い家具とパソコンしかないその部屋で、一緒にひたすらワクワクする毎日を送りました」

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So excited to interview this bad ass lady! Keynote time with @meghanmarkle at @createcultivate! #createcultivateatl

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自分でビジネスを始める時ほど、この先何が起きるか分からないということに対し、不安なったり、同時にワクワクしてしまうことはないでしょう。

「私たちは最初、ビジネスパートナーではなく、ただ同じ仕事場を共有している者同士でした。しかしそれも、ユニット名をつくり、将来性のありそうなクライアントへのアプローチを始めた頃から変わっていきました。

そうしてまずは、小さなマーケティングショップを立ち上げることにしました。自分でビジネスを始める時ほど、この先何が起きるか分からないということに対し、不安になったり、同時にワクワクしてしまうことはきっとないでしょう。クライアントは地元のバーや、『自分たちのオンラインコミュニティーの拡大を手伝って欲しい』と訪ねて来る会社が数件あるくらいで、16時頃になればやることもなくなり、2人でハッピーアワーの一杯を楽しみに出かけたりしていました。

時間が経つにつれ、今後も一緒にやっていく方がもっと可能性も広がるのではないかと考え、ついに2人で正式な会社を立ち上げることにしました。起業に関して私はとにかく無知でした。でもひたすらワクワクしていたことを、今でもよく覚えています。私たちは高鳴る鼓動を必死で抑えながら、ビジネス・パートナーシップの誓約書にサインし、お祝いにハッピーアワーの晩酌へと繰り出しました。

そうして私たちはCEOとなったのでした」

Create & Cultivate創設者兼CEOジャクリン・ジョンソン著『WorkParty: How To Create & Cultivate The Career Of Your Dreams(原題:ワークパーティー:夢のキャリアを創造し、成長させるまで)』より抜粋。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

MARIE CLAIRE