デザインを刷新した新型「プリウス」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

2015年12月に4世代目へと進化したトヨタ自動車「プリウス」。トヨタの新型プラットフォームとなるトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA) を採用した初めての車種であり、クルマとしての完成度は先代を大きくしのぐものとなっていた。

しかし、よくなった走りの面以上に話題の中心となったのは、その個性的すぎるエクステリアだった。トヨタのすべての販売チャネルで取り扱われ、老若男女問わず選ばれるプリウスに、ここまでチャレンジングなエクステリアを採用することに賛否が分かれる結果となってしまったのだ。

個人的にはトヨタのチャレンジ精神は評価したいし、日常的に目にするようになってくると意外とアリかも……と思っていたのだが、市場の反応は賛否の否が多かったのか、ここのところの月販台数で弟分のアクアの後塵を拝すことが続いていた。

前後のランプ類を変更し、より親しみやすく

そして登場から丸3年となる2018年12月17日にマイナーチェンジが実施されたプリウスは、そんなエクステリアデザインを一新。前後のランプ類を従来のようにバンパーまで伸ばさずに、より親しみやすいデザインへと変貌を遂げている。今回は、そんなマイナーチェンジを受けたプリウスのバイヤーズガイドをお送りしたい。

改めてマイナーチェンジを遂げた新型プリウスのグレード構成と車両本体価格は次のとおりだ。

E              2WD(FF) 251万8560円
S              2WD(FF) 256万5000円
              E-Four 275万9400円
S“ツーリングセレクション”  2WD(FF)   273万2400円
              E-Four     292万6800円
A              2WD(FF)  284万2560円
              E-Four     303万6960円
A“ツーリングセレクション”  2WD(FF)  300万6720円
              E-Four     320万1120円
Aプレミアム         2WD(FF)   317万5200円
E-Four 336万9600円
Aプレミアム“ツーリングセレクション”
2WD(FF) 328万4280円
E-Four 347万8680円

マイナーチェンジを受けたプリウスだが、グレード体系はマイナーチェンジ前と不変となっている。燃費に特化した「E」、量販グレードの「S」、上級グレードの「A」と最上級グレードとなる「Aプレミアム」というラインナップで、Eグレード以外には17インチアルミホイールや専用リアバンパーなどを装着し、スポーティなイメージとなる「ツーリングセレクション」が用意されるのも従来通りだ。また、Eグレード以外には19万4400円高で電気式4WDシステムである「E-Four」が選択できるというのも変わっていない。

ではエクステリアデザイン以外に変わったところはどこかというと、全グレードでDCM(専用通信機)が標準搭載となり、クラウン、カローラスポーツに続くコネクテッドカーになった点だ。これにより、対応のナビゲーションを装着すれば専任のオペレーターに24時間365日、口頭で目的地設定や情報検索を依頼できるオペレーターサービスや、トヨタスマートセンターで収集するリアルタイムな交通情報や地図データなどをもとに、より最適なルートを探索し、ナビゲーション車載機に配信するハイブリッドナビ機能など、カーライフを快適にするサービスの提供を受けることができる。

また、専用ナビを装着しない場合でも、スマートフォンアプリLINEにマイカーを“友達”として追加設定することで、天気予報や航続可能距離の確認などができるLINEマイカーアカウントを利用することや、ドアロックや窓の閉め忘れなどを検知して通知してくれるマイカーSecurityなどが利用可能となっている。

中には「そんな機能必要ない」と思われる人もいるかもしれないが、登録から3年間の基本使用料は無料となっているので、試しに使ってみるのもいいのではないだろうか。意外と便利でなくてはならないアイテムとなる可能性もゼロではないはずだ。

先進安全装備が全グレードで標準装備に

そして、先進安全装備となる「Toyota Safety Sense」が全グレードで標準装備となったのも今回のマイナーチェンジで行われた改良のひとつ。昼間の歩行者も検知対象とするプリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)をはじめ、車線を逸脱しそうな際にステアリング操作をアシストするレーンディパーチャーアラートや、全車速に応じて追従走行を支援するレーダークルーズコントロール、夜間の見やすさをサポートするオートマチックハイビームがセットで装着されている。

さらに駐車場などから後退する際に、左右後方から接近してくる車両を検知し、ドアミラー内のインジケーターの点滅とブザーにより、注意を喚起するリヤクロストラフィックアラートを上級グレードのAとAプレミアムに新たにオプション設定している。

それ以外に公式発表には記載がなかったが、従来の量販グレード「S」の駆動用バッテリーがニッケル水素電池からリチウムイオン電池へ変更されている(4WD車は従来通り全車ニッケル水素電池)。そのため、Toyota Safety Senseを標準装備しながらも車両重量が10kg軽量となった。

従来型であれば、とにかく燃費性能を気にするユーザーにはカタログ燃費40.8km/Lを誇るEグレードをオススメしていたが、前述のようにSグレードでもリチウムイオン電池となったことで、特別感は薄れてしまった。価格もEが251万8560円、Sが256万5000円と5万円弱しか価格差がないので、装備が簡素化されてしまうEをオススメする理由はなくなってしまっている。

一方、最上級グレードとなるAプレミアムは、新採用のシートベンチレーション付本革シートが標準装備となる点が最大の違いとなる。また、11.6インチとタブレット端末並みの大きさとなるSDナビゲーションを選択するとJBLプレミアムサウンドシステムが同時に装着されるが、こちらはメーカーオプションで42万8760円と高額となるため、よほどのこだわりがない人以外にはオススメしづらい。

となると残るは量販グレードのSと上級グレードのAとなるが、Aには車線変更時の後方確認をアシストしてくれるブラインドスポットモニター(BSM)と、駐車時のステアリング操作を自動でアシストしてくれるシンプルインテリジェントパーキングアシスト(巻き込み警報機能付)が標準装備される。これはSではオプションでも選択できない装備となるため、この装備が必要な人はAを選択するといいだろう。

Sを選び必要なメーカーオプションを追加する手も

逆にこれらの装備がマストではないユーザーにとってはAとSの差額が27万7560円と大きいため、Sを選び必要なメーカーオプションを追加したほうがよさそうだ。なお、Sを選ぶときに選択してもらいたいメーカーオプションは、非常時給電システム付のAC100V・1500wのアクセサリーコンセント(4万3200円)だ。1500wまでOKということでほとんどの電化製品を使うことができるため、レジャーのときはもちろん有事の際にも心強い。後付けは難しいものだけに最初から装着しておきたいアイテムだ(Aプレミアムは標準装備)。

そしてもうひとつが、ツーリングセレクションにするか標準にするかだが、これはほぼ見た目の違いとなるため、好みで選んでしまって問題ないだろう。ただ、快適温熱シート(シートヒーター)が欲しいと思うとAプレミアムか各グレードのツーリングセレクションを選ぶしか選択肢がない。しかしSグレードでツーリングセレクションを選ぼうとすると約16万円のエクストラコストが必要となってしまうため、非常に悩ましい問題だ。

ということで、もし自分が新型プリウスを購入するのであれば、Sグレードにアクセサリーコンセント、ナビレディセットにT-Connectナビを組み合わせたものを装着したいところ。これでおおよそ乗り出し300万円弱となる計算。これだけの内容の車両が300万円以内で購入できてしまうのはかなり買い得感が高いと言えるだろう。