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太腿の太さはなんと66センチ。強靭な下半身を活かしたタックルが持ち味の松山千大。中学時代は大阪府選抜のキャプテン。大阪桐蔭ラグビー部でもキャプテンを務めている逸材だ。12月30日(14:30キックオフ)、松山率いる大阪桐蔭が土佐塾(高知)との初戦を迎える。

「昨年度の悔しさは全国大会の優勝でしか晴らせない」

しとしとと雨が降る中、目には大粒の涙。東海大仰星が喜ぶ姿をただただ見つめることしかできなかった。

2018年1月8日。第97回全国高校ラグビー大会の決勝戦は19大会ぶりに「大阪桐蔭 対 東海大仰星」の大阪勢対決となった。大阪桐蔭は創部35年目で初めての決勝の舞台。2年生ながらチームの中心選手だった松山は、高ぶる気持ちを抑えてグラウンドに立った。
フィジカルで優位に立つ大阪桐蔭がセットプレーから得点を奪うなど17対10とリードして前半終了。後半8分にはセンター・江良楓(現・立命館大)がPGを決めて10点差。この流れのまま優勝するかと思われた。しかし、後半12分・後半21分と立て続けにトライを許すと最後は東海大仰星のエース・河瀬諒介(現・早稲田大)にトライを奪われて20対27で逆転負け。悲願の全国制覇へあと1歩及ばなかった。

「絶対にこの場所に帰ってきたい。そのために僕がチームを引っ張って頑張りたいです」。試合直後、前を向いてインタビューに答えたがその顔には悔しさがにじむ。次こそ絶対に全国制覇を成し遂げたいという思いを強くした。

今年1月。「1年生からキャプテンになると思っていた」と綾部監督が話すほど絶大な信頼を得ていている松山は、新チームのキャプテンを任された。決勝を経験して感じた事は、「スキルの差ではなく勝ちに対する執念の差」。そこでチーム全員の意識改革に取り組んだ。「昨年度を越えれば、必然的に優勝が見えてくる」との思いからスローガンを「越」に決定。さらに円陣では「優勝」というフレーズをあえて口にすることで、常にチームが同じ方向を向くように仕向けてきた。その成果は今シーズンの結果に表れている。4月に行われた選抜大会では、決勝戦で桐蔭学園に敗れたものの準優勝。全国大会の切符をかけた大阪府地区予選では3試合で総得点は255点/総失点14点。圧倒的な力を見せて全国大会の舞台へ戻ってきた。

野球部主将・中川卓也、ロッテドラフト1位・藤原恭大らから受けた刺激

もう一つ、松山が全国制覇への思いを強くした出来事が「今年の夏の甲子園」。プロ野球界へと進む根尾昂・藤原恭大らを擁し、史上初2度目の春夏連覇を達成した野球部。松山と同じクラスには、ロッテドラフト1位の藤原や日本ハムドラフト5位の柿木蓮、野球部主将の中川卓也らがいる。彼らとは大の仲良し。その仲間が、約4万5千人の観客が見つめる甲子園で偉業を成し遂げたのだから刺激を受けないはずがない。「世間からもすごいプレッシャーがある中で、勝ちきれる野球部は本当にすごいです」。前回大会で日本一になる難しさを痛感したからこその感情だった。
野球部の中川主将とは「野球部とラグビー部でアベック優勝したいよな」と誓い合う。「昨年度の悔しさは全国大会の決勝戦でしか晴らせないので。野球部の次は俺らの出番です」。大阪桐蔭高校初の全国制覇へ松山千大は燃えている。

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