室屋成(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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28日、日本代表に長友佑都、酒井宏樹、原口元気、堂安律が合流した。自身にとって3回目となるアジアカップへの意気込みを聞かれた長友は「アジアカップで活躍できなかったら、もう日本代表には呼ばれないと思っている」と危機感を口にした。

アジアカップとワールドカップで同じ監督が指揮を執った直近の大会は2011年、アルベルト・ザッケローニ監督のときだった(※)。そのザッケローニ監督が率いていた2011年アジアカップに招集されたメンバー23人は、2014年ワールドカップでどうなったか。

GK3人はそのままワールドカップメンバーとなったが、フィールドプレーヤー20人のうち、2014年に選ばれたのは今野泰幸、内田篤人、吉田麻也、遠藤保仁、長谷部誠、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の8人(酒井高徳は途中離脱していて本大会のメンバーからは外れていた)。

つまりアジアカップでしっかりとした活躍を見せれば2022年ワールドカップ予選のメンバーに入っていき、さらに本大会に出場すればメンバーに選ばれる可能性がある。だが、ここで活躍できなければ、ワールドカップ出場という個人の夢は水泡に帰することになるかもしれない。

もっとも、初めてアジアカップに出場する選手はその切実感はわからないはずだ。室屋成は「チャンスがもらえれば応えたいし、全力を出してチームの力になりたい」と言いつつも、アジアカップの先にワールドカップを見ているのではないと語った。

「あまり先のことを考えるタイプではないので、まずはチームが優勝するために自分がどうやって貢献できるか、この期間で自分がどれだけ成長できるかということだけを考えています。そうやっていくことでこの先自分がどんどん成長してまた上の舞台が見えると思っています」

そう語りながらも、森保一監督からの要求は整理して理解している。

「サイドバックに必要とされているのは、まずはハードワーク、それから球際で負けないこと。そこを監督はすごく大事にしています。その中でポゼッションも練習からいろんなシチュエーションでトレーニングしています」

2015年大会は2011年大会経験者が12人いたが、今大会は前回大会経験者が5人。緊張感を持って大会に臨むベテランと、ノビノビと自分を出そうと考えている若手が混在していることも世代交代が進んでいる証拠と言えるだろう。

【森雅史/日本蹴球合同会社】

※2007年大会はイビチャ・オシム監督、2015年大会はハビエル・アギーレ監督が率いており、ワールドカップのときとは監督が違った。また、2007年大会の前はワールドカップの中間年に開催されていたため、チーム作りの状況は違っていた。