医療ミスがあったブリストル・ロイヤル小児病院(画像は『The Sun 2018年12月21日付「TODDLER ‘CASTRATED’ Boy, 2, ‘castrated’ after surgeons operate on wrong testicle leaving him infertile」(Credit: ALAMY)』のスクリーンショット)

写真拡大

このほどイギリスから、30分程度で終わるはずの手術が医師の医療ミスにより生殖力を奪われてしまった2歳男児の一報が届いた。いずれ彼が成人し、子供を作る能力が無いと知った時の悲しみは計り知れないものがあるだろう。『The Sun』『New York Post』などが伝えている。

英ブリストル・ロイヤル小児病院で今月17日、2歳男児が精巣の手術を受けた。彼の睾丸は通常より上の位置にあることにより、陰嚢内に収まっていない「停留精巣」だった。停留精巣は幼児には稀であるが、手術で比較的簡単に治すことができるという。この男児の場合、片方が停留精巣で生殖力が無いものの、もう片方は正常だったため、将来子供を作ることは可能だった。

今回の手術は内視鏡を使ってモニターを見ながら睾丸を陰嚢に収めるというもので、手術時間は30分程度と男児の両親は伝えられていた。ところが両親は、手術が終わるまで2時間半も待たされた。そして手術が終わった後、病院側から思いもよらない事態になったことを告げられた。男児の父親はこのように話している。

「私達はずっと待っていました。すると2時間半後に執刀した外科医と病院のマネージャーとコンサルタントがやって来たことで、私は息子に何か起きたと悟りました。彼らは病院の本部に電話を入れ、手術が失敗したと私達に告げたのです。私と家内はパニックに陥りました。」

外科医は誤って正常な精巣に手術を施したため、それまで機能していた睾丸は生殖力がなくなり、男児は将来、子供を作ることができない身体になってしまったのだ。

父親は「非常に悲しかった。簡単な手術だと聞かされてたのに、こんなひどいことになるなんて、彼らは全てを台無しにした。私の息子の人生を完全に台無しにしてしまったんです。彼らは息子を去勢したんですよ。息子の将来は激変してしまった」と嘆いている。

母親も「本当に恐ろしいことです。もう涙が枯れ果てました。私達はただ奇跡が起こることを望んでいます」と話した。

今回の失態について、病院の院長であるウィリアム・オールドフィールド医師(Dr William Oldfield)はこのように謝罪の声明を出している。

「我々のスタッフは問題に気付いた際、すぐにご家族と面会して何が起きたかを説明し、謝罪しました。私達は患者の安全と診療基準に関しては細心の注意を払っております。この問題についてはご家族の協力を得ながら徹底的な調査を始めております。今回の件について再度ご家族にお詫び申し上げます。」

なお、イギリスの国民保健サービスによると停留精巣で生まれて来る男子は25人に1人と言われている。この治療に関しては比較的難しいものではなく、成功率も高いとされているとのことだ。

画像は『The Sun 2018年12月21日付「TODDLER ‘CASTRATED’ Boy, 2, ‘castrated’ after surgeons operate on wrong testicle leaving him infertile」(Credit: ALAMY)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)