ガラケー回帰から新時代ゲーミングスマホまで、成熟と混沌が渦巻いたガジェットは2019年どこへ向かうのか

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昨年は「平成最後の○○」というコピーが溢れかえった。
約30年間という平成の時代を、多くの人が、顧みて懐かしむ年だった。

そんな2018年は、IT・ビジネスにとっても、大きな変化の兆しが垣間見られた。
取材を通して、出会ったガジェットで振り返ってみたいと思う。


●翻訳機元年とも言える翻訳機デバイスの台頭
POCKETALK(ポケトーク)は、2017年にソースネクストが発売し、2018年には2代目となる「POCKETALK W」が登場した。

小型で持ち運びできる翻訳機は、この2代目となる「POCKETALK W」によって人気に火が付いたといってもよいだろう。
2018年の9月に発売された2代目となる「POCKETALK W」は、
大きなタッチパネルや高出力のスピーカーを搭載するなど、初代POCKETALKの弱点を改善したガジェットだ。

機能や操作性の改善だけでなく、プロモーションにお笑いタレント・明石家さんまを起用するなど、市場の拡大や翻訳機の認知にも積極的な展開に移行している。
そうした効果もあり、地域や団体、企業などにも採用され、大ヒット製品となった。


発表会では明石家さんまに扮した原口あきまさと安藤美姫が登壇した


翻訳機デバイス市場では、先行したソースネクストのPOCKETALKがひとり勝ち状況だが、その市場を狙い新たに参入するメーカーも登場しはじめた。

カメラ機能付き、Wi-Fiルーター機能付き、グループ通話機能付きなど、「双方向AI音声翻訳機」本来の機能にプラスアルファの機能を持たせたものが続々と登場している。

市場シェアナンバーワンに加え、海外展開も開始したPOCKETALK。
この牙城を崩す、強力なライバル製品は登場するのか?

2019年は、2020年の東京オリンピックでの海外からの観光客の増加を見据え、翻訳機デバイス市場も競争が激化することは必至だろう。

CMに明石家さんま起用 新「POCKETALK(ポケトーク)」! 国内だけでなく世界を目指す


●スマホ疲れ? ガラケー回帰で携帯電話機が復活
前述の翻訳機デバイス市場にも「ez:commu(イージーコミュ)」などのデバイスで参入しているフューチャーモデルが、カードサイズのシンプルな携帯電話機「NichePhone-S 4G(ニッチフォンエス フォージー)」を9月に発売した。


NichePhone-S 4G


こうした流れは、大手キャリアにも現れた。
10月にNTTドコモは、ディスプレイに電子ペーパーを採用し、タッチ操作ができるカードサイズ携帯電話機「カードケータイ KY-01」を発表したのだ。



「カードケータイ KY-01」(写真=左)、「ワンナンバーフォン ON 01」(写真=右)


さらに、スマートフォン(スマホ)と同じ電話番号を使い、併用できるワンナンバーサービス対応のカードサイズ電話機「ワンナンバーフォン ON 01」も発表した。

一方、KDDIは初代「INFOBAR(インフォバー)」発売から15年の節目で、新たに「INFOBAR xv(インフォバー エックスブイ)」を7月に発表、11月に発売した。


「INFOBAR xv」


昨年の2018年は、日本でiPhoneが発売されてからちょうど10年。

iPhoneの大ヒット以降、スマートフォン移行は急速に進んだ。
しかし、ここに来て、スマートフォン疲れや、通話中心の利用、2代目需要などにより、小型の携帯電話機へニーズが高まり、復活を遂げた。

実際には、こうした電話機が、いつまでニーズがあるのか?
これは判断が難しいところだ。
引き続きニーズがあるのか、再びスマートフォンに取り込まれていくのか?
その回答も、今年2019年に見えてくるだろう。

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●スマホ市場も変わる? 期待のメーカーとデバイス
2018年の国内スマホ市場においては、中国メーカーOPPO(オッポ)の日本法人であるOPPO Japan(オッポジャパン)の躍進が目立った。

2017年11月に日本法人を設立した後、2018年だけでなんと7機種もの製品を発売した。
6機種のSIMフリースマートフォンと、UQコミュニケーションズ(UQ mobile)向けの「R17 Neo(アールセブンティーン ネオ)」だ。

OPPOのスマートフォンは、
カメラが飛び出すフラッグシップモデル「Find X(ファインド エックス)」
画面内指紋認証を搭載する「R17 Neo」「R17 Pro(アールセブンティーン プロ)」
など、実に個性的な、モデルが大きな特徴だ。

一方で、日本国内でのニーズが高い防水・防塵性能、おサイフケータイにも対応したモデル「R15 Pro(アールフィフティーン プロ)」も海外メーカーながら、いち早く市場に投入している。


2018年はOPPO Japanが躍進した年でもある


OPPOは、日本参入メーカーとして、低価格帯モデルから高価格帯フラッグシップモデルまでを最速で「日本対応」を果たした。

2019年のOPPO Japanは、通信キャリア向けモデル対応を狙っており、キャリア向けスマホがどのくらい登場するのかも注目したいところだ。


一方、2018年はスマートフォン市場にも、あらたな動きがおきた。
ゲーミングスマートフォンの登場だ。
先陣を切ったのがASUS(エイスース)の「ROG Phone(アールオージー フォン)」だ。


ゲーミングスマホはスマホ新時代の製品になり得るか?


「ROG Phone」はゲーミングスマホというカテゴリのまったく新しいスマートフォンだ。
・オーバークロックCPU
・応答速度に優れた有機ELディスプレイ搭載
・放熱システム
これらに加え、さまざまな周辺機器でゲームプレイをサポートする。

すでに海外では複数のメーカーがゲーミングスマートフォンを発売しているが、昨年の2018年は、ついに日本にも登場したのだ。

現在は、SIMフリー製品として提供されている「ROG Phone」だが、こうしたゲーミングスマホの製品を通信キャリアからも発売されることを期待したい。

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撮影・執筆:2106bpm