【2018年版】ディズニー映画9本 私的ランキング(ディレクター編)

ディズニーマニア約20人が集結し、日本最大級の情報量のディズニー関連コラムを配信している「ウレぴあ総研」。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』が、しんどくて泣けるほどぶっ刺さる理由
ディズニー特集の制作を統括しているディレクターが、2018年に公開された、ディズニー配給の長編映画9本(※)を、超個人的にランキング。
年末年始に観るべき映画とは!?
※ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ(ディズニー・アニメーション)、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(ディズニー実写)、ピクサー・アニメーション・スタジオ、マーベル・スタジオ、ルーカスフィルム製作のうち、日本公開が2018年の長編映画9本を主観でランキング
9位『シュガー・ラッシュ:オンライン』(12月21日公開)
話題のディズニープリンセス大集合シーンは面白かったですが、私にとって、この映画で評価できるのは、そこと、結末だけ。
公開中の映画なので、あまり詳しくは書きませんが、何が嫌かって、ラルフが、全く成長しておらず、同じ過ちを繰り返しているように見えること。
私は個人的に、そういうタイプの人を受け入れられないんですよね。
映画の主役キャラに心底嫌気が差すような思いを抱かせる映画ってどうなの、という思いがどうしても拭えず、完全に目が曇っているな、という自覚はあるのですが、どうにもなりません。
ただ、「別に気にならないよ」という人も少なからずいると思うし、たとえば前作を観ていなければ何の問題もなくこの映画の良いところに目を向けられるので、観に行きたかった方は、ぜひ観に行って楽しんでください。
びっくりするほど深くて重い映画、と評価する向きもあり、それはそれで一つの真実であると思います。
8位『ブラックパンサー』(3月1日公開)
全米で空前の大ヒットになりましたが、日本人の私が見てもそこまでの感慨を抱かないのは、日米の社会状況の違いなのかなと。
テーマは「分断」で、結果として「分断」を乗り越えよう、というエンディングになるわけですけど、綺麗事に感じるんだよなあ。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の火種のすべてはワカンダ、みたいなことにならないか、本当に心配。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MUC)の映画としては、文句のない出来で、非常におもしろいです。
いま現在、地球上で最高のテクノロジーを持つのは、ワカンダのシュリ(と『アントマン&ワスプ』のハンク・ピム博士)。
ワカンダをよく知っているのと、そうでないのでは、MCUの理解がまったく変わってくるので、特に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を見る前に、必ず見ておきましょう。
7位『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(4月27日公開)の直後の公開でなければ、もっと楽しめたし、もっと話題になったはず。
インフィニティ・ウォーの期待値が高すぎて、見る前に体力を使い切って、見終わって脱力して、しばらく映画を見る気になれなかった。
インフィニティ・ウォーがインチキ過ぎるだけ。
すでに方々で語られているとおり、旧世代ファンにとっては「コレジャナイ感満載」、新世代ファンにとっては良質なエンターテイメントSF。
ストーリーもスリリングですし、何よりハン・ソロとチューバッカのコンビ結成の経緯、2人が意気投合した理由が知れるんですから、見る価値はあります。
年末年始に楽しむにはおすすめの映画です。
6位『インクレディブル・ファミリー』(8月1日公開)
上位6位から2位まで、すべて家族がテーマの映画なのは、私が小3・小1の子育て中の父親だからかもしれません。
基本的には、スーパーヒーローたちが、特殊能力を使って大活躍をする話ですが、前作よりもヒーロー数も、スーパーパワーの種類も、大幅にパワーアップしていて、とても楽しめます。
テーマは、タイトルにもあるとおり「家族」。
家族だからこそのすれ違いや軋轢、今どきらしくワンオペ育児の困難が描かれますが、それらを乗り越えたとき、信じられないほどに凄い(インクレディブルな)家族の姿が見られます。
なお、Mr. インクレディブルの吹き替えを担当する・三浦友和さんも、「見どころはジャック・ジャック」と断言していましたが、
17種類ものスーパーパワーを持つという、ジャック・ジャック(末っ子の赤ちゃん)の可愛さ、とくにアライグマとの対決シーンは、必見です。
5位『プーと大人になった僕』(9月14日公開)
ウォルト・ディズニーの系譜に連なる、ディズニーの王道と言えるテーマの映画です。
私たち親は、大人なりの大変さを背負って、日々精一杯に生きているわけですが、だからこそ見えにくくなるものがあります。
たとえば、自分も子どもだったはずなのに、驚くほど子どもの気持ちがわからなかったり、気持ちを汲もうともしなかったり。
悪気はまったくないんですけどね。
『メリー・ポピンズ』の「A Man Has Dreams」で語られる、
「子ども時代はあっという間に過ぎ、幼い2人はたちまち大人になって、親元を飛び去っていく。そうなってからでは愛を与えられない。」
の変奏曲と言える内容です。
プーはもちろん、イーヨーやピグレット、ティガーたちの(私たちがよく知る)キャラも立っており、アニメーションとは違う、ぬいぐるみならではの可愛らしさも必見。
人によってはもっと評価するかもしれませんが、このテーマだと『メリー・ポピンズ』を越えられないと私は感じるのと、個人的に特別にプー好きなわけではなかったため、この順位となりました。
4位『くるみ割り人形と秘密の王国』(11月30日公開)
私は大満足ですが、物足りないと感じる人もいるのも理解できる映画です。
その中で、なぜ私が、ベスト3に次ぐ評価をしたかというと、まさにいま私が、自分の子供たちに注いでいる「思い」が凝縮された、珠玉のメッセージを含んでいるからです。
実は、試写を含めて3回観に行っています。
1回目(試写)よりも、子どもたちと観に行った2回目のほうが良かったし、妻と二人きりで観に行った3回目はもっと良く感じました。
親は誰しも、親バカだとは自覚しつつも、「我が子が一番」だと思っています。
日々、子供の持つ個性を信じ、成長を見守り、未熟な親ながら精一杯、心血を注いで育ててきている。
だから、クララへの母からのメッセージには、グッと来るどころでは済まないものがあります。
実際、いつ私たち親は、交通事故や災害で死ぬとも知れないわけですが、取り残される子供のことを思うと、どうにもできないとはわかっていても、胸がずしんと重くなります。
私は、いざというときのために、自分の子供たちに「もし父さん母さんがいなくなったら、『くるみ割り人形と秘密の王国』を見返してみなさい」と遺言することにしました。
3位『アントマン&ワスプ』(8月31日公開)
最高だから観て。
2019年4月26日公開『アベンジャーズ/エンドゲーム』へ向けて、重要な鍵となると見られる、量子テクノロジーが描かれる、必見の映画です。
時系列としては『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と同時並行か、それに近いと見られ、ラストでは、ある意味で、インフィニティ・ウォーの終盤に直結します。
アクション、ストーリー、驚異の3DCGと、『ブラックパンサー』同様、MUCの映画として珠玉の出来ですが、ベスト3入りを果たしたのは、アントマンの娘キャシーが、私の娘とほぼ同世代であり、思い入れがあるためです。
まず、キャシー役の、アビー・ライダー・フォートソンが可愛い。
しかもこのキャシー、可愛いだけでなく、賢くて行動力がある。
アントマンは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』での出来事が原因で、FBIの監視下にある都合上、キャシーのために活動を自粛しようとしています。
が、キャシーは、父の活動を誇りに思っており、やむなく行動せざるを得ない父を背中を押し、危機にはサポートします。
本当に可愛い。
また『アントマン』シリーズで忘れてはいけないのが、笑い。
前作も、今作も、コミカルで、洒落の効いたシーンが絶え間なく登場し、私の子どもたちも、MCUの中で最も好きなシリーズの一つになっています。
2位『リメンバー・ミー』(3月16日公開)
2018年最高の感動作、感涙必至な映画は『リメンバー・ミー』でした。
アニー賞・11部門受賞ゴールデングローブ賞・アニメ映画賞受賞アカデミー賞・長編アニメ映画賞&主題歌賞受賞という大絶賛の成果が示すとおり、「音楽は人の心を動かす力がある」と改めて実感させてくれる、素晴らしい映画です。
ピクサーの真骨頂と言える、まだ誰も見たことのない世界を描き出し、私たちに見せてくれる、3DCGも特筆の出来。
メキシコの伝統的な祭事「死者の日」を題材に、彩り豊かで、鮮やかな、死者たちが暮らす世界の映像は、思わず息を呑むほど。
年末年始、いい映画を観て泣きたいなら、全力でおすすめします。
1位『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(4月27日公開)
2008年の『アイアンマン』に始まり、この10年で、20本近い映画を公開し、そのすべてをもってマーベル・シネマティック・ユニバースを構築してきました。
映画1つ1つが傑作レベルで、ヒーロー一人ひとりが掘り下げて描かれ、世界は地球だけでなく、宇宙やアスガルド、神秘の世界、果ては量子世界にまで広がりました。
シリーズの世界興行収入も、『スター・ウォーズ』シリーズや『ハリー・ポッター』シリーズを抜き去り、名実ともにNo.1。
その壮大な10年の、終わりの始まり。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、そんな映画です。
2019年4月26日公開『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、すべての決着がつきます。
マーベル・シネマティック・ユニバースは、今後もまだまだ続きますが、世代交代が予想されています。
この10年を牽引してきた、アイアンマン、キャプテン・アメリカをはじめとする、アベンジャーズオリジナルメンバーが、どんな旅の終着点を迎えるのか、絶対に見逃せません。