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12月15日の「サワコの朝」のゲストは、ピアニストの清塚信也さん。音楽に熱心な母の勧めで5歳からピアノを習い始め、これまで数々の名だたるコンクールで入賞経験を持つ実力派の清塚さん。作曲家としても才能を発揮するほか、ユーモアいっぱいの軽妙なトークでクラシックの歴史や作曲家をわかりやすく解説してくれると今大人気のピアニストです。そんな、クラシック界に新風を吹き込む清塚さんが音楽の楽しさを教えてくれました。

「笑う暇があったら練習しろ!」超スパルタ母と過ごした幼少期

とにかくクラシックが好きで憧れも強かったという母のもと、音楽の英才教育を受けてきたという清塚さん。「それはそれは、厳しくて...」と言うと、超スパルタお母様との珍エピソードを披露してくれました。「姉が2つ上におりまして、僕と姉が2人で遊んで笑ったりしていると、母が"今笑うな!人生の後半で笑え"って(笑)小学校低学年の僕らに"笑う暇があったら練習しろ"って言うんです」続けて「あなた達は音楽家になれなかったら、生きていかなくていいですってハッキリ僕らに言うんです。凄いですよ。毎朝5時起きの朝練から始まって。たたき起こされるんですけど、時には眠くて起きれない時があるじゃないですか?そしたら"いい?人はいつかず〜っと寝るときがくるんだから今は起きなさい!って。小2とかですからね、それ(笑)」と超スパルタ母が発した格言を明かしました。そんな中、何か気晴らしをしないと生きていけないと思った姉弟は、持ち前の絶対音感を活かし、母の留守を見計らって交代で遊んでいたと言います。「姉は、みや。僕はしんやと名前の中にあるドレミ音の「ミ」、僕は「シ」があるんです。見張り番が、母の足音とかを聞きつけたら"来たよ"って言うのは怖いので、姉へはミ・ド・ミ・ドって弾くんです。僕にはシ・ソ・シ・ソって。その信号を出し合って母の監視を潜り抜けていました」と超緻密な戦法で、母の不在中も"ずっと練習してた風"を演出し息抜きをしたと明かしました。

「絶対間違ってない。音楽家というのは、人だかりが出来る所に自ら行って演奏しなきゃ正義じゃない」

ピアノ漬けの日々を送ってきた清塚さんですが、一番の目標だったショパン国際コンクール出場の夢は惜しくも叶わず、当時は物凄く落ち込んだといいます。その時、恩師に言われた言葉が清塚さんの人生を大きく変えたそうで「ポーランドのハリーナ先生が、もう本当に僕を元気づけてくれて。あなたは、そのショパンコンクールじゃなくて音楽を愛してやってるんでしょ?って。凄いハッとなったというか、そっか!と思った」そんな魔法の言葉によってコンクールが目標じゃなかったということに目覚めさせられた清塚さんは、その後も国際コンクールに挑むも「優勝しようが落ちようが全然一喜一憂しなくなった」とジャッジされることに意味を持たなくなったと言います。そこから、自分の音楽をもっと広く知ってもらおうと芸能界の門を叩いた清塚さん。「プロフィール書いてデモテープ録って、事務所や制作会社、色々な所に行ったんです。"音楽ものの映画やドラマ作りたかったら僕は最適です"みたいな感じで売り歩いたんです。でも、ちょっとピアノ弾けるくらいでもてはやされる業界じゃないからと。もう帰れ帰れ!みたいな」とこれまでの経験がまるで通用せず、悔しい思いをしたことを明かしました。そんな状況に母は猛反対したそうですが「わかってくれる人だけでいいからと弾いていても成立しない。ベートーヴェンもショパンもそうやって生きて来たんだ!と20歳の朝6時、玄関で大喧嘩しました」と初めて母に言い返し、己の信じた道へと突き進んだことが現在に繋がったことをお話してくれました。

「サワコの朝」はインタビューの達人・阿川佐和子が土曜の朝に素敵なゲストを迎えて送るトーク番組です。MBS/TBS系で毎週土曜あさ7時30分から放送中。ゲストの心に残る音楽と秘蔵トークをお楽しみに!

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