ブロリーについて「ぼやけていたものが、クリアになった」という島田敏

写真拡大

 鳥山明原作の人気アニメ最新作『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』(全国公開中)で復活を果たした伝説のサイヤ人・ブロリーの声を担当する島田敏が、「まさか!」と語る復活劇を振り返った。

 ブロリーは、1993年公開の映画『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で初登場。同作も含めた3本の劇場版で悟空たちの前に立ちはだかり、鮮烈な印象を残した。それでも島田は、今回の復活に驚きを隠せなかったという。「えぇ!? まさか! まさか! という気持ちですよ。しかも劇場版のタイトルにブロリーの名前が冠されているわけですから。改めてええぇ!? と。台本もイッキに読みました」

 「ただ25年前とあまりにも声が違っていたらおかしいですからね。収録の時も監督から『敏さん、もう少し若く』とは言われていました。戦うところの、意識やテンションは絶対に下げちゃいけない。あくなき戦闘民族として、懸命に熱く、楽しんで戦っている。疲れを知らないのがサイヤ人ですから」

 その言葉の通り、本作では悟空とブロリーによる怒濤のバトルシーンも見どころ。だが、島田自身は叫び続けると「頭がガンガン痛くなってくる」体質であるといい「あの時は休憩もそこそこに、3時間くらい叫び続けたんで頭が割れそうなほど痛くなっちゃって。スタジオのロビーで伏せてたら、(悟空役の)野沢雅子さんが『敏、大丈夫か』と背中をさすってくれて。いやいや滅相もない、と言いましたけどね」と笑顔で述懐する。

 そんな野沢について「やはり野沢さんは悟空そのものなんですよ。本当に希有な方ですよね」と評する島田は、「『ドラゴンボール』の収録に行くと、『ドラゴンボール』ならではの空気感や匂いがある。それは野沢さんが座長だから、醸し出せるものなんですよね。そこに行くのが本当に楽しみなんです。やはり我らのトップランナーですから。いつまでもたくさんの役に命を吹き込んでいただきたいなと思います」としみじみ付け加えた。

 またバトルシーンだけでなく、物語も島田の心を捉えたようで、「悟空、ベジータ、ブロリーの幼少期からの人間模様が本当にうまく絡み合っているところなんか、うまいなと思いましたね。25年前にブロリーが出てきた時は、マックスでテンションの高い、サイヤ人としてのイメージが強かったけども、今回は彼の幼少期にフォーカスを当てていくことで、今までぼやけていたものが、クリアになったという気がします」とコメント。「僕にとっても大事な作品になりましたね」と誇らしげに語った。(取材・文:壬生智裕)