スペインでは“シエスタ”が生活のなかに根付いている。いわゆる昼食後の昼寝、休憩で、最後の夕食は20時以降に採ることも多々ある。しかしロティーナ監督は日本でこれを封印。かなり規則正しい生活を送っていると話す。

「私は朝6時に起きて朝食を採り、8時には練習場に向かう。お昼の12時に昼食を、夜は6時半にはディナーをいただいているね。日本人は食後2時間は就寝しないんだ。体内に取り込んだものがまだ消化されていないからだという。そして私は翌日に備えて、10時半には床についている。コーヒーひとつを取っても、ヨーロッパの人間とは違って彼らは砂糖を過剰に摂取しない。ダイエットを日常的に心掛けているから、日本にはスリムなひとが本当に多いんだよ」
 年明け早々に大阪入りし、1月10日から新天地セレッソでの指導をスタートさせる。

 ロティーナ監督は『ABC』紙に対して「セレッソのベストプレーヤーはキヨタケ(清武弘嗣)で、彼はかつてセビージャでもプレーしていたね」と紹介する一方で、「ヴェルディならシオン(井上潮音)、コウタ(渡辺皓太)、カンヤ(藤本寛也)が優秀だが、彼らは他クラブへ移籍するのではないだろうか」と私見も述べている。

 では、セレッソではどんなフットボールを志向するのか。

「ヴェルディでは主に3-4-3で戦った。戦力を考えてあのチームにもっとも適したシステムだと思ったからだが、セレッソではまた違うアプローチになるだろう。“違い”を生み出すためになにが必要かを、よくよく考察しなければいけないね」

 同じ日本でも東京と大阪では風習や価値観がまた異なり、なによりもヴェルディとセレッソでは抱えるタレントの個性がまるで違う。はたしてスペインの智将はどうナニワザクラをまとめ上げ、上位進出へと導くのか。その辣腕に、ふたたび注目が集まる。