全国のブラック企業を地図上でマッピングした「ブラック企業マップ」が、12月9日頃からネットで話題になっている。同サイトは、厚生労働省が発表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載されている企業を、ドクロのアイコンで地図上に表示している。

日本中がブラック企業で覆われていることから、ネットでは「ブラック列島やないか」といった声が出ている。

「現役社畜が怒りと涙で日本全国のブラック企業を地図で可視化」

サイトが作られた時期は不明だが、同サイトのツイッターアカウントが開設された時期が今年8月。ツイートの投稿は11月13日から始まっている。プロフィール欄によると、このサイトは「現役社畜が怒りと涙で日本全国のブラック企業を地図で可視化」したものだという。

ブラック企業は日本全国に散らばっているものの、やはり首都圏や、札幌、名古屋、大阪、福岡などの都市部に密集している。高橋まつりさんの自死が社会問題となった電通は、本社だけでなく、中部支社、京都支社、関西支社がマッピングされている。厚労省の発表をベースにしているので少なくとも数百社がブラック企業として登録されていると思われる。

企業名や違反の内容で企業を検索することもできる。例えば「実習生」と検索すると、外国人技能実習生に対して、労基法違反を犯した企業を探すことができる。

ブラック企業をマップで表示するという試みに対し、ネットでは「可視化大事」「面白い」と歓迎の声が相次いだ。あまりの人気ぶりに現在サイトに繋がりにくい状況になっている。

しかし、あくまでも厚労省の発表を元にしていることから、「労基入った所だけなので氷山の一角」「これだけあってもブラック企業の総数に対しては氷山の一角ですらない」といった意見も多かった。

また「製造、建築業が多いな。目につきやすい労災が発生するからだろうな」という指摘も。実際、厚労省の「公表事案」には、工事現場などで安全対策を怠った事例が多い。それ以外の業種で発生するパワハラやセクハラはなかなか表に出ないのが現状だ。

「あれうちねーな」「何故我が社の名前が無いッ!?」といった書き込みも散見された。やはり厚労省の発表だけでは、十分ではないということなのだろう。