厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第29回:エールディヴァン

 6月から始まった2歳戦線は、早くもこの年齢での頂点を決するGI戦を迎える。

 その一方で、今後にデビューを控えた2歳馬がまだ数多くいる。もちろんその中にも、世代のトップを争う活躍が見込まれる、素質を秘めた評判馬や世界的な活躍馬を近親に持つ良血馬がいる。

 その1頭が、美浦トレセン(茨城県)の堀宣行厩舎に所属するエールディヴァン(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 同馬は、まさに海外の競馬ファンがよく知る、世界有数の血筋を継ぐ良血馬。1980年代にヨーロッパとアメリカでGI10勝を挙げ、その後、子孫が世界を股にかけて活躍しているミエスクの末裔だ。

 実際、祖母のランプルスティルトスキン(父デインヒル)もGIを2勝。さらに、彼女の子であり、エールディヴァンの叔母にあたるタペストリー(父ガリレオ)も、ヨーロッパを主戦場として活躍。GIヨークシャーオークス(イギリス・芝2400m)を制している。


エールディヴァンの叔母にあたるタペストリー(左)はヨークシャーオークスを制覇

 ランプルスティルトスキンの初仔で、エールディヴァンの母であるワイ(父ガリレオ)は目立った成績こそ残せていないが、近親の活躍も含めて、その血筋のよさは誰もが知るところ。引退後は日本に輸入され、繁殖生活を送ってきた。

 そうして、2016年に生まれたのがエールディヴァン。繁栄を続けるファミリーに、日本を代表する種牡馬ディープインパクトが配合されたことで、生まれたときから注目されてきた。

 同馬は11月下旬にトレセン入り。すでに調教も開始している。まだ動き始めたばかりだが、スタッフは好感触を得ているという。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「強い調教はこれから行なっていくのですが、現時点でも『素軽さが出ていて、性格も素直。ディープインパクト産駒らしさがあって、素質の片鱗は感じます』とスタッフは話しています。乗り味だけで言うなら、『1つ、2つはすんなり勝てるのではないか』と高い評価を受けていますね」

 厩舎としても、まずまずの手応えを得ているエールディヴァン。そうなると、気になるのはデビュー戦のスケジュールだが、その点については、先述のトラックマンがこう語る。

「(デビューについては)あまり明確な日程を決めず、焦らずにじっくりと進めていくようです。『520kgほどの大型馬なので、負担をかけずにゆっくりと仕上げたい』とのこと。どこかに不安があるわけではなく、丁寧に体を絞りながら、デビューへ向けて鍛錬を重ねていくそうです」

 馬に合わせてじっくり仕上げるのは、堀厩舎のスタイル。むしろ、その慎重さこそ、期待の表れかもしれない。 世界で繁栄する一族の血を引くエールディヴァン。万全の準備さえ整えば、同馬が颯爽とターフを駆け抜ける姿がそう遠くないうちに見られるはずである。今は、その日が来るのを楽しみにして待ちたい。