一般的に、ライオンはアフリカのサバンナにおける食物連鎖の頂点に君臨する「百獣の王」というイメージであり、一方ハイエナは、ハイエナは「死肉をあさるサバンナの掃除役」というイメージを強く抱かれます。しかし、実際はハイエナの方がライオンよりも狩りがうまく、群れをなしたハイエナにライオンが襲われてしまうこともよくあることだそうです。BBCの動物ドキュメンタリー「Dynasties」の撮影班が、実際に1匹のライオンが20匹以上のハイエナたちに囲まれて大ピンチに陥る様子を捉えた貴重な映像を公開。ムービーは記事作成時点で800万回を超える再生数を記録しています。

Lion Attacked by Pack of Hyenas - FULL CLIP (with ending) | Dynasties | BBC Earth - YouTube

BBCの撮影班が捉えているのは「レッド」というあだ名で呼ばれる、若い雄のライオン。どうやら群れからはぐれてしまったようです。



そんなレッドをじっと見つめるハイエナ。ライオンとハイエナは同じニッチ(生態的地位)を占め、同じエリアに生息するライオンとハイエナは天敵同士。体の大きさはライオンの方が圧倒的に大きく、1対1ならハイエナの勝ち目は薄いですが、ハイエナは群れで連携を取りながら獲物を追い込んで狩るのがとても上手。



一匹だけでサバンナをうろついているレッドを狩るために、ハイエナが続々と集まってきます。



レッドが振り向くと……



孤立無援のライオンを狙うハイエナと目が合いました。



ハイエナの群れはレッドの周りをぐるぐると回りだし、まるで仲間と密に連絡を取り合っているかのように甲高い鳴き声をかけあいながら、追い詰めていきます。



レッドはうなってハイエナを威嚇しますが、ハイエナにはまったく動じる様子はありません。それどころか、レッドの死角から後ろ足にかみつく者も現れます。



牙を向けるハイエナにも容赦せず仕返しをするレッドですが、さすがに1匹に対して20匹は分が悪すぎるようです。



レッドをしっかりとロックオンしながら、軽快なステップでじりじりと距離を詰めていくハイエナたち。



レッドもほえながら応戦しますが、やはり多勢に無勢。ハイエナの1匹に飛びかかっても、その瞬間を狙って残りのハイエナが一斉に襲いかかってくるため、レッドはどうすることもできません。



そこへ、別の雄のライオンが通りかかり、ハイエナに襲われているレッドを発見しました。



レッドは必死にハイエナを蹴散らしていますが、体力的にはかなり限界の模様。



ふらふらになりながらハイエナと戦うレッドが顔をあげると……



雄のライオンがサバンナの向こうから駆け寄る姿が。



さすがにライオン2匹を相手にするのは分が悪いと考えたのか、ハイエナはクモの子を散らすように退散。



命からがら助かったレッドは、助けてくれた雄のライオンに身を寄せてじゃれあっていました。