今週のメインレースは、2歳牝馬の”女王決定戦”となるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)。そう聞くと、「今年も残すところ、あとわずかなんだなぁ……」と、しみじみ思ってしまう。

 それはそれとして、ここ数年と同じく、今年も2歳牝馬戦線は「精鋭ぞろい」と評判だ。ゆえに、今回の阪神JFも注目の一戦となるが、もっとも評価が高いグランアレグリアが次週のGI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)に向かうことになったうえ、未対戦の面々が数多くいるため、”荒れる”結果も予想される。

 前走で重賞を制したダノンファンタジーとシェーングランツが本命視されているが、ともに3戦2勝で、初戦は敗戦を喫している。その分、付け入る隙があると見られて、余計に波乱ムードが高まっている。


デイリー杯2歳Sで2着と健闘したメイショウショウブ

 そうした状況にあって、日刊スポーツの太田尚樹記者は、4戦1勝のメイショウショウブを推奨する。その戦績だけ見るとパッとしないが、未勝利を勝って臨んだ前走のGIIデイリー杯2歳S(11月10日/京都・芝1600m)では、牡馬相手に僅差の2着と好走している。

「その前走では、3着馬には2馬身半差をつけました。しかも、勝ち馬は3戦3勝で朝日杯FSでも有力視されているアドマイヤマーズ(牡2歳)。芝で未勝利なのを嫌ってか、思ったより軽視されている印象を受けますが、侮れないと思いますよ。

 陣営によれば、『前走の前から、びっくりするぐらいフットワークが変わった』とのことで、ここに来て、いわゆる”別馬”になったようです。1週前の追い切りでも、古馬オープンのナイトオブナイツ(牡5歳)に先着するなど、絶好の動きを見せていますし、状態面は申し分ありません。

 ペースはあまり速くならないと想定されるなか、今回も積極策をとると思われ、前残りの可能性は十分にあると見ています」

 唯一の勝利がダート戦とはいえ、メイショウショウブは芝でも2着1回、3着2回と堅実な走りを見せている。アドマイヤマーズに半馬身差なら、ここでも互角の勝負を演じられるはずだ。

 太田記者はもう1頭、3戦2勝のプールヴィルを推す。

「現在、2連勝中のプールヴィル。前走の500万特別・りんどう賞(10月7日/京都・芝1400m)は、決して派手な勝ちっぷりではありませんでしたが、3カ月の休み明けでしたし、陣営のスタッフが『最後は遊んで走っていたみたいで、目いっぱい走っていない』と話していました。とすれば、数字以上に評価していい結果だと思います。

 初戦の敗戦(4着)は、内で窮屈になってのもので、まだ底を見せていません。阪神・外回りの長い直線も大歓迎でしょうし、楽しみです」

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、人気の盲点になっている2戦無敗の馬に注目している。

「レッドアネモスです。逃げても、控えても競馬ができるタイプで、流れが読めないことの多い2歳GIでは、その自在性は強力な武器とはるはず。阪神は初めてですが、直線に急坂のある中山で結果を出しているのは心強い限りです。

 前走の500万特別・サフラン賞(9月30日/中山・芝1600m)では、ハナを切りながら、上がり3ハロン34秒1という末脚を披露。速い上がりにも対応できそうなのも、強調材料となるでしょう。

 無傷の2連勝できていますが、休み明けの重賞初挑戦がGIとあって、意外と人気の盲点になりそう。今回が絶好の狙い目と見ます」

 大西記者も語るとおり、今回はおよそ2カ月半ぶりの実戦となる。その点についての不安はないのだろうか。

「(前走から)間隔は空いたものの、攻め気配は上々。1週前の追い切りでも、時計以上に動きは鋭かったです。体も470kg台と牝馬としては恵まれており、カイ食いにも不安がないタイプ。その分、攻めた調教を積むことができるので、きっちりと仕上がっています」(大西記者) すでに重賞やオープンを制している評判馬の強さは認めるものの、まだ2歳の牝馬。今後、その序列が大きく変動してもおかしくない。阪神JFのレース後、その評価を大きく上げる存在が、ここに挙げた3頭の中から出てきても不思議ではない。