日立はTVCM「この木なんの木」の日立の樹に毎年4500万円以上支払っている

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アメリカ・ハワイ州のオアフ島にあるホノルル、そこから北西に約5マイル(約8km)の位置に、24エーカー(約9万7000平方km)もの広大な敷地面積を誇る私有公園モアナルア・ガーデンがあります。この公園内には日本でとても有名な木があります。

The Hitachi Tree of Moanalua Gardens | Amusing Planet

https://www.amusingplanet.com/2018/12/the-hitachi-tree-of-moanalua-gardens.html

モアナルア・ガーデンでは毎年プリンス・ロット・フラ・フェスティバルと呼ばれるお祭りが開催されています。これは、カメハメハ5世が王子の頃の呼び名である「プリンス・ロット・カプイワ」から名前を取ったお祭り。宣教師がフラダンスはみだらな娯楽であるとして積極的に規制していた際に、プリンス・ロット・カプイワが客人をもてなすためにフラダンスを活用していたという事実から、お祭りの名前の由来となったそうです。モアナルア・ガーデンは元々はプリンス・ロット・カプイワの幼なじみの家があった場所で、現在では庭園の他に寺院や池、植物や樹木、さらには歴史的建造物などが並んでいます。

モアナルア・ガーデンは一般公開されていますが、入場には料金がかかります。この入場料がモアナルア・ガーデン全体の保守および維持に用いられるそうですが、それでも足りない分は、日本の電機メーカーである日立が支払っているそうです。

日立がモアナルア・ガーデンの保守費用を支払っている理由は、公園内に1本の木があるからです。



by frontriver

この木は「日立の樹」と呼ばれるモンキーポッドという種類の木。公園のど真ん中に生えており、樹齢は約130歳と推定されています。樹冠部分の直径は約40メートルほどと、とても巨大。ホノルルはこの日立の樹を歴史的に重要な木と指定しています。

日立は1973年以来、この木を企業CMに採用しています。「この木なんの木」のフレーズが流れるCMを見たことがあるという人も多いはず。日立が開設した「日立の樹オンライン」によると、日立の樹は日立グループの総合力と成長性、事業の幅広さ、力強さを、「大地に根を伸ばし、大きな枝を広げ、色とりどりの花を咲かせて実を結ぶ」1本の大樹にたとえたものだそうです。なお、日立の樹が初めてテレビCMに登場したのは30数年前だそうです。

「日立の樹」CM 樹と光 篇 - Hitachi - YouTube

日立の樹はTVCMから日本でよく知られるところとなり、ハワイのモアナルア・ガーデンには日本からの観光客が日立の樹の写真を撮るため連日集まってくるとのこと。

日立はTVCMにモアナルア・ガーデンのモンキーポッドを使用するため、所有者であるサミュエル・デーモン氏にイメージの使用料として年間2万ドル(約220万円)を支払っていました。その後、2004年にデーモン氏が死去したあと、モンキーポッドはカイマナ・ベンチャーズという企業に買収されます。そして、カイマナ・ベンチャーズは日立と交渉し、モンキーポッドの使用料を年間2万ドルから40万ドル(約4500万円)に引き上げることに成功。カイマナ・ベンチャーズによると、日立から支払われる40万ドルは公園の年間保守費用である60万ドル(約6800万円)をカバーするのに役立っているとのことです。



by kimubert