失くした財布が手元に戻った男性、財布の中を見て驚くことに(画像は『ABC7 News 2018年11月25日付「Stranger returns wallet to man with extra $40 inside」』のスクリーンショット)

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財布を失くしたら、二度と自分のもとへは戻ってこないと思うのが普通だろう。しかし機内で財布を失くした米サウスダコタ州に住む男性のもとへ、無事に財布が届けられた。しかも男性は、財布の中身が増えていたという嬉しいサプライズを経験した。『ABC7 News』『Yahoo Lifestyle』などが伝えている。

サウスダコタ州のハンター・シャマットさん(20歳)は11月8日、姉の結婚式に出席するためフロンティア航空でラスベガスへと向かったが、その機内で財布を失くしてしまった。

財布の中にはID(身分証明書)と銀行のカード、現金60ドル(約6,800円)に加えて署名入りの小切手400ドル(約45,000円)分が入っていた。ハンターさんは同乗者の母親ジェニーさんとともにフロンティア航空に紛失届を出したが、二度と財布は戻ってこないだろうという思いがあった。ところが11月15日に、財布が自宅に郵送され戻ってきたのである。

それだけでも奇跡に近いが、更にハンターさんを驚かせたのは財布の中身が増えていたことだった。「FedEx(フェデックス)」で送られてきた小包には送り主の名が書かれておらず、送付先はネブラスカ州オマハの「Applied Underwriters」というところになっていた。中に同封されていた手紙を見て、ハンターさんは母親のジェニーさんとともに驚きの声をあげた。手紙の中身はこう綴られていた。

「11月8日のオマハからデンバー行きのフロンティア航空機内で、この財布を見つけました。12列目の座席Fで、財布はシートと壁の間に挟まっていました。取り戻したいと思っているだろうと思い、送ります。追伸 財布の中身が100ドル(約11,000円)になるようにちょっと足しておきました。これで財布が手元に戻ってきたことを祝うことができますね TB」

書面にはイニシャルでTBとだけ記されており、この送り主を見つけて直接感謝の言葉を述べたいと思ったハンターさんとジャニーさんは、Facebookで「送り主の住所だけが書かれていたが、もし分かればきちんとお礼がしたい。この投稿をシェアしてほしい」と呼びかけた。

すると、保険会社「Applied Underwriters」のブランド・マネージャーがこの投稿に目を留めた。Applied Underwritersはハンターさんに財布を送付した5児の父トッド・ブラウンさんの職場だったのだ。Facebookがきっかけで送り主を突き止めることができ、19日にトッドさんにお礼を言うことができたハンターさんは、喜びをこのように語った。

「財布が戻ってきてどれほど嬉しかったことか。全く見知らぬ自分にここまでしてくれるなんて感激しました。」

一方でトッドさんは、後のメディアの取材にこう話している。

「シートベルトをしようとして、財布が落ちていることに気付いたのです。客室乗務員に渡すことも考えましたが、やはりきちんと持ち主のもとへ返してあげたいので止めました。デンバーに着いた時、妻と一緒に持ち主を突き止めようと試みました。Facebookでハンターさんを検索していた妻は、39秒ほどで見つけることができましたよ。彼のプロフィールを見てまだ20歳の学生であることを知り、自分が20歳の時もそうでしたが、財布に入っていたお金はきっと彼にとって大金だろうと思ったのです。」

トッドさんはすぐFacebookにメッセージを送ったものの、ハンターさんからの返信がなかった。それでもトッドさんはIDから住所を知り、直接財布を送ることにした。

「ちょっと驚かせてあげようと思い、お金を足すことにしました。失くした財布が戻ってきて、しかも中身が増えていたらとても嬉しいでしょう? 財布の中には20ドル札が3枚入っていたので、足して100ドルにしたのです。私は今でも自分の母親にカードを送る時、1ドル(約113円)硬貨を忍ばせておくんです。思ってもいないお金を手にしたら、誰でも幸せな気分になりますからね。」