映画出演は約2年半ぶりとなる「銃」で“トースト女”を演じた日南響子

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村上虹郎が主演を務める映画「銃」が、11月17日より全国で公開中。本作は、芥川賞作家・中村文則の衝撃のデビュー作を、奥山和由プロデューサーによる企画・製作、武正晴監督がメガホンを取り映画化した。

【写真を見る】日南響子が「全部ヌーディーだったから」と語るワンシーン。モノクロの描写の中で存在感を放つ/(C)吉本興業

大学生の西川トオルが、河原で思いがけず拳銃を拾い、銃は彼の中で圧倒的な存在感を占めていく。ある日突然、トオルは刑事の訪問を受ける。「次は、人間を撃ちたいと思っているんでしょう?」。次第に精神を追いつめられていくトオルは、あることを決意する――。

銃に支配され、徐々に狂気が満ちていく主人公・トオルを村上が演じる他、心の中に何らかの問題を抱えている女子大学生・ヨシカワユウコ役を広瀬アリス、トオルを追い詰める刑事役をリリー・フランキーが務めている。

そして、「トースト女」と主人公が心の中であだ名をつけ、ただセックスするためだけの女として扱われるという、魅惑的でどこか謎めいた役を、日南響子が演じている。

原作者、プロデューサー、監督などから、その存在感のある演技で高い評価を得ている日南にインタビュー。「珠麟」という名前で音楽活動もしており、映画出演は約2年半ぶりとなる日南に、撮影中のエピソードなどを語ってもらった。

■ キーマンになる大切な役

――独特な世界観で描かれた作品ですね。

展開などが他の映画とは違ってパッパッパっと変わっていくのではなく、虹郎君がストーリーの中で全部連れていっている感じですよね。移り変わり方が面白いなって思いました。

――作品に参加してみていかがでしたか?

最初に台本を見た時は、本当に“セフレ”的な立ち位置だと思っていたんです。演じている時も現場全部を見てストーリーを踏まえていたわけではないので、完成するまでは本当に“そういう関係性で出てくるだけの人”という印象でした。

監督からは「そうじゃないよ、一番キーマンになる大切な部分だから」と言われていたんですけど、台本を読むだけではなかなか分からなかったんです。でも、私とヨシカワ(広瀬)を介して彼の心情が見えてくるというのを、完成した作品を見て理解したので、そこでハッとしましたね。「なるほど!」って。

――演じる上で、武監督から言われたことはありましたか?

なかったです。台本は見ますけど、私は彼(トオル)の全てを知っているわけではない。本当に出会ってそういう関係を持って、最後は彼がおかしくなって、ということが、その場で起こって、それに対しての(トースト女の)反応だったので、あまり本を読み込む感じにはしたくない、という感じで臨みました。

■ 監督やプロデューサーから絶賛

――原作の中村氏をはじめ、監督やプロデューサーにも好評だったとお聞きしました。「存在感があった」と。

そうらしいですね。私も聞いてビックリしました。

脚本を読んだばかりの頃は、本当にトオルと関係を持っただけの人っていう立ち位置だと思っていて、出てくるシーンもそれほどない中で、しかも全部ヌーディーだったから、そういう意見を聞いた直後は「そんなに評価される演技のシーンってあったかな?」って、正直思っていました。

ただ、出ているシーンが少ない分、どこかで「トースト女」はトオルの心情を引き立てなくちゃいけない。そこを見せる、変えていく部分をちゃんと演じなきゃいけないなっていうのはありました。

それに、脱ぐと言っても下品な感じには見られたくないなって思っていたし、(評価していただいたのは)それが成功しているのかなって。そうやって言ってくださるのはすごくありがたいことですけど、最初は本当に驚きました。

■ 村上虹郎との“距離感”

――撮影中に村上さんと何か話されましたか?

ほとんどしてないです。彼もこういう役柄だから、現場では寡黙でずっと役の雰囲気を保っていたんですね。本読みの時は「お久しぶりです」みたいな感じで話はしましたけど、それ以外は特に会話はなかったです。

――村上さんもあえてそういう雰囲気を作っていたのでしょうか?

分からないですけど、もう自然とそういう感じの空気になっていた感じがします。

最後にトオルがうち(トースト女の部屋)に来る時は、最初から様子がおかしいなっていう変な空気なんです。それ以外の時はみんな楽しくやっていたんですけど、やっぱりそういう雰囲気を壊さないようにしているのか、周りがセッティングなどをしている間(空き時間)も、一人でいらっしゃったんですね。「声を掛ける感じでもないなぁ」みたいな感じでした。

私もこういう役だから軽く声を掛けにいく感じでもないし、暗黙の了解じゃないけど、お互いにそういう感じで現場にいましたね。

――今回のタイトルが「銃」ですが、もし実際にトオルのように銃を手にしたら、ご自身はどうなると思いますか?

手にしたら私は大事に閉まっちゃうと思います。でも、磨き続けると思います。撃つわけでも使うわけでもないんですけど、ただ「格好良い〜」と言いながら磨くんです。

昔、銃が好き過ぎて、おもちゃをすごく集めていたこともあるんです。磨いているのを見ながら「いいなぁ」って。

磨くこと自体がすごく好きで、革のお財布とか、革物を磨くのがすごく好きです。10代の時にはまって、「おっさんみたいな趣味」とか言われたりしたんですけど(笑)、本当に楽しくて、オイルも何種類もそろえていました。刀系も集めるのが好きでしたね。

【後編「トースト女、まさかの告白」に続く】(ザテレビジョン)