還元率20%の衝撃──スマホ決済のPayPay、100億円バラマキでキャッシュレス市場に攻勢
ソフトバンクとヤフーが手がける決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」は、総額100億円を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」を実施します。12月4日〜2019年3月31日。

今回の"100億円"キャンペーンは、ユーザーの拡大に加えて、小規模加盟店の開拓を進める狙いがあります。PayPayの中山一郎CEOは「ユーザーと加盟店の獲得のために、100億円を投じる。QR決済市場のユーザー数と加盟店数、両方でナンバーワンを目指す」と宣言しました。キャンペーン原資についてはソフトバンクとヤフーの両社がPayPayに出資した金額を拠出すると説明しています。

​​​​​​100億円あげちゃうキャンペーン


1回のPayPay支払いごとに、最大20%が「PayPayボーナス」としてPayPay残高に還元されます(上限はひと月辺り5万円)。

さらに、抽選で40回に1回の確率で、支払い額の全額がキャッシュバックされます(最大10万円)。全額還元のキャンペーンでは、ソフトバンクとY!mobileのユーザーは10回に1回、Yahoo!プレミアムのユーザーには20回に1回と、確率が上がる特典も用意されます。

なお、還元金額が総額100億円に達したときは、キャンペーン期間の途中でも終了となるとしています。

また、「100億円あげちゃうキャンペーン」の開始に先立ち、11月22日より5000円をチャージすると1000円分の残高がもらえるプレキャンペーンを実施します。

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加盟店にファミマ、ビックカメラ、松屋など


PayPayは12月4日より、全国のファミリーマートで利用できるようになります。そのほか家電量販店のビックカメラグループ、ヤマダ電機や、飲食チェーンの松屋などが加盟店になることも発表されました。


強みはソフトバンクの営業力


PayPayは、ソフトバンクとYahoo! JAPANの決済サービスを統合し、誕生したスマホ決済サービス。10月5日よりQRコードを使ったサービスを開始しました。運営企業のPayPayは、ソフトバンクとヤフーの合弁会社となっています。

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PayPayにはQRコードを使った決済方法として、スマホのQRコードを見せてレジのリーダーで読み取る「ストアスキャン」と、店に設置されたQRコードをユーザーのスマホで読み取る「ユーザースキャン」という2つの決済方法が用意されています。このうち後者は小規模な加盟店でも導入しやすい方式です。

サービス開始以来、中国アリババの「Alipay(アリペイ)」との決済連携や、Yahoo! JAPANアプリでの決済対応など、機能拡充を図ってきたPayPay。11月21日には残高の個人間送金にも対応しています。



PayPayの強みはソフトバンクの営業力を利用できること。発表会に登壇したソフトバンクの榛葉副社長は「すでにPayPayには有能な営業幹部を送り込んでいる」と紹介しました。PayPayで加盟店開拓にあたる営業人員は数千人規模としており、個人店向けの営業も積極的に行っていくとみられます。



また、PayPayにはインドのQR決済事業者「Paytm」が技術協力しています。Paytmは3億人が利用するインド最大規模のQR決済事業者で、ソフトバンクグループの通称「10兆円ファンド」ことビジョン・ファンドの投資先ともなっています。

このPaytmの協力について中山氏は「Paytmの技術協力は強いアドバンテージだ。失敗例を多く知っているため、同じ轍を踏まずにすむ」とコメントしています。PayPayでは今後の機能拡張として、店舗マップの情報拡充を予定しています。



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