中国・北京の大気汚染が再び深刻化している。中国気象局などはおととい19日(2018年11月)、「今月下旬からPM2.5などが拡散しやすくなる」と発表した。日本への影響はあるのか。

ユーチューブに投稿された動画を見ると、オレンジ色のもやがかかる北京市内の交差点で、「お巡りさん、いま赤信号? それとも青信号?」と運転手が叫んでいる。映像では信号さえ見えない。

今月14日に撮影された別の動画では、北京の街がスモッグで雲海のようになっていた。日本の基準で外出を控えるように呼びかけるPM2.5 の数値は1立方メートルあたり70マイクログラム以上となっているが、14日の北京は367マイクログラムだった。日本の基準の5・3倍だ。

北京では交通事故が相次ぎ、幼稚園や小中学校では屋外活動を禁止する事態となっている。マスク姿の北京市民の女性は「息子とお嫁さんがいるメルボルンに行きます。来年の春、空気がよくなったら戻ってきます」とうんざりした様子で話していた。

米中貿易摩擦で大気汚染防止規制を緩和?

中国では、大気汚染防止のため石炭をやめるなど対策を強化し、最近は効果も出ていたが、なぜ再び悪化しているのか。中国事情に詳しい拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授は「米中貿易摩擦などで中国経済が停滞し、企業の環境汚染への規制緩和が行われているという見方もあります」と解説する。

日本の環境省のPM2.5モニタリング調査では、先月中旬(2018年10月)あたりから数日おきに数値が基準を大きく超えるようになっている。今後もこの傾向が続くとみられ、九州大学は、今月27日あたりから日本にも多く飛散すると予想している。

深澤真紀(コラムニスト)「インドと中国では、年間に400〜500万人が公害で亡くなっているのではないかともいわれています。日本でも私たちが小さい頃は光化学スモッグで外に出られないこともありましたが、公害をなくすシステムを構築してきました。そのような面で、もっと日本が積極的にリードできるといいんですけどね」