11月25日、東京競馬場では3歳以上によるGIジャパンC(芝2400m)が行なわれる。

 世界から強豪を招待し、日本馬のレベルアップを図るという目的で1981年に創設されたこのレース。当初はなかなか日本馬が勝てなかったが、現在は12連勝中。2006年3着のウィジャボード以来、外国馬は馬券圏内の3着にも入っていない。今年も外国馬の出走は2頭と少なく、日本馬中心の競馬になりそうだ。

 日本馬は7頭のGI馬が登録と好メンバーが揃ったが、最大の見どころは三冠牝馬アーモンドアイ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)の参戦だろう。古牡馬との初対戦となる今回、ここで通用するのかを分析してみたい。


秋華賞を制し、史上5頭目の牝馬三冠に輝いたアーモンドアイ

 過去、このレースに出走した3歳牝馬は海外馬を含めて32頭。その成績は1勝、2着3回、3着1回で、勝率3.1%、連対率15.6%と、極めて低い数字になっている。ちなみに、3歳牡馬は82頭で5勝、2着7回で勝率6.1%、連対率14.6%と、牝馬の倍近い勝率。全年齢でもっとも成績がいい4歳馬は、創設からの37回のレース中、ほぼ半数に近い18勝を挙げている。

 過去に好走した3歳牝馬を振り返ってみよう。唯一勝利した(2012年、2013年と連覇)ジェンティルドンナは、アーモンドアイと同じ三冠牝馬。2012年のレースは秋華賞(京都・芝2000m)を勝った直後の参戦で、前年の三冠牡馬オルフェーヴルという強敵がいたが、叩き合いの末にハナ差で競り勝っている。

 2013年2着のデニムアンドルビーはGIオークス(東京・芝2400m)3着、GI秋華賞4着とGI勝ちはなく、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)5着から中1週の強行スケジュールでの出走だった。2009年3着のレッドディザイア、1996年2着のファビラスラフインは秋華賞でGI初制覇を飾っての参戦。そして1991年2着のマジックナイトは、仏GIヴェルメイユ賞(芝2400m)勝ちのあったフランス調教馬で、仏GI凱旋門賞(芝2400m)2着からの参戦だった。

 上記の5頭を比較してみると、デニムアンドルビーとマジックナイト以外の3頭はいずれも秋華賞を勝ってからの参戦だった。ちなみに、前走で秋華賞を勝ってジャパンCに参戦した3歳牝馬は、2015年のミッキークイーン(8着)もいるが、4頭が出走して1勝、2着1回、3着1回だから確率的にはかなりの好成績だ。

 ちなみに、牡馬の三冠最終戦・菊花賞(京都・芝2400m)を勝ってここに出走してきた馬は過去に5頭いて、2着1回(2003年ザッツザプレンティ)、3着2回(1984年シンボリルドルフ、2004年デルタブルース)という成績。シンボリルドルフの頃は日程の関係で中1週での参戦だったが、いずれにしろ勝利はなく、秋華賞組のほうが優勢というデータが残っている。菊花賞より1週早く出走することでローテーション的に余裕が出るし、今回のアーモンドアイは、他の馬より2〜4kg軽い斤量53kgというのも有利だ。

 三冠牝馬の参戦はジェンティルドンナに続く2頭目となる。他の三冠牝馬、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネは、4歳以降も含めてジャパンCに出走したことがない。ジェンティルドンナは3歳時だけでなく4歳時も勝利し、唯一のジャパンC連覇馬となっており、1頭ではあるが、三冠牝馬とジャパンCの関連性はかなり高いと言える。

 あとは、「アーモンドアイはジェンティルドンナ級か」ということになるが、これはここまでの走りを見る限り、「YES」と答えざるを得ない。GI桜花賞で1馬身4分の3差、GIオークスで2馬身差、秋華賞で1馬身半差と、三冠牝馬として初めて、すべてのレースで1馬身以上の差をつける強い内容で三冠を制しているからだ。

 何より、今回と同じ舞台で行なわれたオークスの走りを評価したい。1000m通過59秒6という、オークスとしては速めのペースの中、やや行きたがる素振りを見せながら、中団より前の5、6番手から早めに抜け出して押し切るという、スタミナがなければ勝てない内容での勝利だった。勝ちタイム2分23秒8はジェンティルドンナのレースレコードに0秒2差という優秀なものだ。

 ローテーションにも好感が持てる。秋3戦目だったジェンティルドンナに対し、アーモンドアイはこのレースが秋2戦目。疲労の心配が少なく、前走からの上積みも期待できる。 以上の要素から、アーモンドアイが勝ち負けする可能性は極めて高いと言える。昨年の勝ち馬シュヴァルグラン、大阪杯を勝ったスワーヴリチャード、有馬記念などGI2勝のサトノダイヤモンド、日本ダービー馬マカヒキ、菊花賞馬キセキ、香港ヴァーズのサトノクラウンなど牡馬の強敵は多いが、それらを破ることができる実力の持ち主だ。新たな歴史的名牝となるかもしれないこの馬の走りに注目しよう。