18日放送、フジテレビ「S-PARK」では、日本人で2人目となるNBA選手になった渡邊雄太を紹介。NBA出場という偉業を成し遂げたにもかかわらず、本人は悔しさを表した。

今季、下部のGリーグチームに所属しながら最大45日間NBAのチームに招集可能な「2way契約」をメンフィス・グリズリーズと結んだ渡邊は、入団から1カ月でNBAの試合に出場した。「前日からスケジュールが送られてきたときに、『明日ユニフォームを着るよ』と書かれていた」。

4分31秒の出場ながら、2得点、2リバウンドを記録した渡邊は「(試合中に)名前をコーチに呼ばれたときは緊張しましたけど、1回コートに入れば今までの自分に戻っていた」と振り返る。

日本人初のNBA選手、田臥勇太は「どれだけNBA選手になることが難しいかは僕が1番分かっているので、それをクリアしてNBA選手になってくれたのは本当にうれしく思いました」と喜んだ。

渡邊の父親も「正直に言うと、まさか自分の息子がこうなるとは、田臥選手がNBAに行ったときはまったく思っていなかった」と話している。

だが、日本が快挙に盛り上がる一方で、渡邊自身は「自分の中で(NBAのコートに立っても)満足するっていうのがまったくない」とコメント。残り4分で20点差がついていたことから、「完全に試合が決まった時間帯で出された部分があった」と、悔しい気持ちだったと明かした。

その思いが焦りにもつながり、Gリーグでの2試合で11得点に終わると、渡邊は「自分の中で少し考えすぎていて、ここ(Gリーグ)で活躍しないとこの先につながっていかないと考えすぎて、それをプレッシャーにしすぎている部分がある」と、反省の言葉を口にした。

グリズリーズの同僚マルク・ガソルは、渡邊について「ディフェンス、そして万能性は素晴らしい。特にあの身長とサイズがありながらコートでいろいろなことができる。ゲームを読む力も優れている」とコメント。J・B・ビッカースタッフ・ヘッドコーチも「強みは万能性だ。スリーポイントにミドルシュート、自分で持ち込むこともできる」と話す。

両者が口にした「万能性」こそ、渡邊の武器だ。本人も「得点、リバウンド、ディフェンスでもすべての部分でチームのために貢献できるようなプレーをしていかなければいけない」と述べている。

迎えたGリーグ第3戦で、守備からリズムをつかむと、チーム最多タイの25得点、8リバウンド、1ブロック、2スティールを記録。攻守で圧倒し、再びNBAのコートに立つ。7分46秒の出場で1ブロック、2リバウンドと守備でアピールした。

ベンチ入り4試合、出場2試合と着実にステップアップしている渡邊は「もっと重要な場面のときに出してもらえるような選手にならないといけない」「2020年のときにNBA選手として日本に帰ってきて東京五輪に出られたら」と、さらなる飛躍に意気込んだ。