11月18日、第97回全国高校サッカー選手権大会は地域予選の最終日を迎え、新たに9校の本大会エントリーが確定。これにより出場48校がすべて出揃った。

 日本中の高校サッカーファンが注視したのが千葉決勝だ。6年連続で同一カードとなった市立船橋vs流経大柏の頂上決戦は、例年のごとくハイレベルな壮絶戦となった。

 均衡が破れたのは前半14分。流経大柏の熊澤がCKのこぼれ球を鮮やかにグランダーショットでねじ込み、貴重な先制点を挙げる。その後も堅守自慢の両雄はピッチのそこかしこで激しく身体をぶつけ合いながら、攻守がめまぐるしく入れ替わる好勝負で観衆を沸かせた。それでも主導権を握り続けたのは流経大柏だった。CB関川を中心に市立船橋に決定的な場面を作らせず、着実に時間を刻んでいく。終盤はライバルに攻勢を強められたが堅牢は揺るがず、逆に後半37分、追加点を奪ってみせる。市立船橋のパスをカットした熊澤が左サイドからクロスを送り、中央の岡本が頭で応えて2-0としたのだ。昨年度大会の準優勝チームが、2年連続で死闘を制している。

 
 午前10時10分のキックオフで凱歌を上げたのが、昨年度の選手権覇者・前橋育英だ。桐生一との群馬決勝は序盤からともに球際の執着心とアグレッシブな姿勢を前面に打ち出し、がっぷり四つに組む展開。前半をスコアレスで折り返すと、後半開始早々にゲームが動いた。4分、CKのチャンスから中野が決め、桐生一が先制点を奪ったのだ。

 負けられない上州のタイガー軍団は同14分、PKを奪取。これを室井が落ち着いてねじ込み、試合を振り出しに戻す。丁々発止の攻防戦を繰り広げる両雄の戦いは、1-1のまま最終盤へ。延長戦突入かと思われたアディショナルタイム、前橋育英は室井が殊勲の逆転弾を挙げて、勝敗は決した。まさに薄氷を踏むような辛勝。苦しみながらもディフェンディングチャンピオンが、5年連続の本大会行きを決めている。

 茨城決勝は鹿島学園と明秀日立が雌雄を決した。ともに好調の守備陣が奮闘してゴールを割らせないじりじりした展開が続き、スコアレスを維持したまま終盤戦にもつれ込む。ここで異彩を放ってケリを付けたのが、明秀日立のエース津村だ。後半32分、クロスボールを頭でねじ込み殊勲弾! チームを2年連続の檜舞台へと導いた。
 連覇を狙う昌平と17年ぶりの出場に燃える浦和南が火花を散らした埼玉決勝は、戦前の予想通り、1点を争う接戦となった。

 ミドルゾーンでのハイレベルなせめぎ合いが繰り返され、互角の展開のまま0-0で後半に突入。そして迎えた12分、ついに昌平がリードを奪う。右サイドを駆け上がったSB吉田が角度のないところからニアサイドに強烈なシュートを放ち、浦和南ゴールをこじ開けた。だが、“赤き血のイレブン”はここから猛反撃。後半22分、右CKから相手選手のハンドでPKを得て大坂が同点とすると、さらに同30分、ゴール前の混戦から庄司が右足で押し込んで逆転に成功! 見事終盤にゲームをひっくり返し、埼玉スタジアムに咆哮を轟かせたのだ。

 広島では14年ぶりに初出場チームが誕生した。瀬戸内と広島皆実の宿命対決は、キックオフ直後からインテンシティーの高い攻防戦が繰り広げられたが、ともに決め手を欠いて0-0でハーフタイムを迎える。インターハイ予選優勝の瀬戸内が後半4分に吉田のゴールで先手を取るも、6連覇を目論む広島皆実は人海戦術を駆使して怒涛の反撃を試み、アディショナルタイムに前田が起死回生の同点弾をゲット! 劇的な流れで延長戦に突入した一戦。勝利の女神が微笑んだのは瀬戸内にだった。延長後半開始まもなく、宮本が値千金のヘッドをねじ込んで勝ち越したのだ。結局これが決勝点となり、U-19日本代表MF安部裕葵(鹿島)を輩出した強豪が、ついに悲願の選手権切符を獲得した。