発見者のひとりの岩本雅之氏が撮影した彗星「C/2018 V1」。 (c)岩本雅之

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 アマチュア天文学者によって彗星が発見されるケースがいくつも存在する。7日から8日にかけ、3人のアマチュア天文学者によって彗星「C/2018 V1」が発見された。10等級の明るさをもつC/2018 V1は12日、発見者にちなんでマックホルツ・藤川・岩本彗星と名づけられた。

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 C/2018 V1を発見したのは、香川県の藤川繁久氏、徳島県の岩本雅之氏、米カリフォルニア州のドナルド・マックホルツ氏だ。3人はいずれもアマチュア天文学者で、これまでも彗星を発見してきたという。

 最初に発見したのがマックホルツ氏で、7日(米国太平洋標準時)にC/2018 V1をおとめ座ガンマ星付近で発見した。マックホルツ氏の彗星発見はこれで12個目となり、最初の彗星の発見は40年前になるという。同氏が発見した彗星のうちマックホルツ彗星(C/2004 Q2)は、発見後最大で約3.5等級まで明るくなった。

 マックホルツ氏以外の藤川氏や岩本氏も、彗星発見の経験をもつ。藤川氏は1881年に英アマチュア天文学者のウィリアム・デニング氏が発見したデニング・藤川彗星(72P/Denning-Fujikawa)を、約100年ぶりに再発見したことで知られる。短期型彗星であるデニング・藤川彗星は、その最初の発見以来長らく姿を見せなかったが、1978年に藤川氏が再検出した。

 岩本氏は彗星以外にも、小惑星の発見に貢献する。火星と木星のあいだに位置する小惑星帯内に、「岩本(4951 Iwamoto)」を1990年に発見した。

 今回の彗星発見は、日本人によるものとしては5年ぶりとなり、2013年に発見されたC/2013 E2は同じく岩本氏によるもので、この彗星は「岩本彗星」と名付けられている。

 近年は自動化された天体観測により彗星が発見されることが通常だが、今回のケースのように3人の人間が同じ彗星を別個に発見することは非常に珍しいという。

 マックホルツ・藤川・岩本彗星は現在追跡観測が進行中だ。藤川氏や岩本氏が彗星の発見を届け出た国立天文台によると、11月末には太陽に近いものの、6等級前後まで明るくなると予想される。