11月7日に発表された日本代表のメンバーに、サプライズはなかった。9月、10月のテストマッチでアピールをした選手が選ばれ、負傷者が出たポジションには所属クラブで結果を残している選手がピックアップされた。
 
 サプライズがない選考には、妥当との表現も当てはまる。長友佑都を招集できない左サイドバックに山中亮輔が選ばれたのも、FWに鈴木優磨が名を連ねたのも、彼らのパフォーマンスを見れば納得感がある。
 
 東口順昭の招集を、サプライズと伝えるメディアがあった。ガンバ大阪の守護神は、直近のリーグ戦に出場していなかったからだ。
 
 メンバー発表から集合までには、今週末のJ1リーグを挟む。そして、東口は週末のリーグ戦でピッチに立てる状態だ。

 10日のJ1リーグ戦から16日のベネズエラ戦までにも、6日間の猶予がある。20日のキルギス戦での出場を想定すれば、準備期間はさらに4日延びる。メンバー発表から試合までの時間を考えれば、東口が選ばれることは驚きではないのだ。
 
 日本代表にとってのターゲットまでの時間も、考慮しなければならない。森保一監督が率いる日本代表は、来年1月開幕のアジアカップに向けて強化をはかっている。11月の2試合は、同大会前の最後のテストマッチだ。
森保監督指揮下のチームで、東口はGKの序列がもっとも高い。このままいけば、アジアカップでゴールマウスに立つのは彼だ。監督の立場で考えれば、ベネズエラ戦の出場が難しいとしても、キルギス戦にはピッチに立ってほしいだろう。

 今回のメンバー発表でむしろ触れるべきは、コーチングスタッフではないか。

 ベネズエラ、キルギスと対戦する11月の活動は、U−21日本代表のUAE遠征とスケジュールが重なる。ふたつのチームの指揮権を託されている森保監督は、日本代表の陣頭指揮に立ち、U−21日本代表は横内昭展コーチが監督代行を務める。

 森保監督がふたつの代表監督を兼任した段階で、ここまでは予想されたことだっただろう。ちょっと嬉しい驚きは、日本代表のスタッフにU−16日本代表コーチの斉藤俊秀、U−19日本代表コーチの秋葉忠宏の両氏が加わったことだ。

 西野朗監督の日本代表監督就任から、「オールジャパン」という言葉が使われるようになった。かつてない窮地に立たされている日本代表を、心をひとつにして支えていこうといった意味合いである。

 ロシアでのベスト16入りによってどこかぼんやりとしてしまった「オールジャパン」のメンタリティは、斉藤、秋葉両コーチのスタッフ入りによって引き継がれた。ミーティングや会議に止まることがほとんどだったコーチの交流が、日本代表の現場で実現した意義は大きい。日本サッカーが目ざすべき方向性が日本代表からU−17W杯で戦う世代まで、明確につながれたのはこれが初めてと言っていいぐらいだ。

 それぞれの代表チームには、個別のターゲットがある。本来の担当をこえた指導者の交流が、恒常的に行われるとは考えにくい。現実的に考えて難しいだろう。 それでも、タテの連携を密にするメリットは大きい。今後も継続すべきである。