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三菱商事は2日、3カ年の経営指針「中期経営戦略2021〜事業経営モデルによる成長の実現〜」(PDF)を策定し、これを発表した。

「中期経営戦略2021」は、1.事業ポートフォリオ、2.成長メカニズム、3.人事制度改革、4.定量目標・資本政策から成る3カ年の経営方針で、世界情勢や地政学、第4次産業革命など急速なデジタル化を踏まえた同社の中期経営戦略となる。

戦略構築のために新たに導入する事業ポートフォリオは、同社のビジネスターゲットを川の流れにたとえて3つに分け、現在の同社ビジネス各事業が並ぶ"川上"や"川中"からリテイルやEコマース/インターネットサービスなどが並ぶ"川下"への12分野に区分。投融資残高を各領域に表示することで、他分野に携わる同社が全産業を俯瞰し、また外部環境変化に柔軟な検討を全社で行えるように導入される。地域や業界内プレゼンス、事業経営レベルなど多次元な分析を加えながら常にあるべき形を検討していくために活用される。

ポートフォリオも活用しながら、多くの事業から"成長の芽"を発掘し、"成長の柱"へそして収益の柱と育てるサイクルを繰り返しROEを伴う循環型成長モデルが成長メカニズムだ。事業価値向上に限界が生じる場合は、収益の柱であっても新たな成長の柱候補と入れ替えることもある。急速な環境変化に対応するため、数多くの事業を行う同社がその利点を活かし、必要がある場合には柱を柔軟に入れ替えてROEを追求する。

これら「成長の芽の発掘」、「成長の柱構築」を実現するために同社は、経営企画部に「事業構想室」、各営業グループに「グループ事業構想担当」を設置するなど大きな組織改編を打ち出しているが、新たにチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)を任命し、その管下にデジタル戦略部を組成、各営業グループに「グループデジタル戦略担当」を設置することで急速なデジタル化の動きへの対応を図ることが記されている。

各営業グループ(天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発)のグループデジタル戦略担当とCDO管下のデジタル戦略部が連携し、全産業を俯瞰した事業構想の立案と実行を担い、スタートアップ企業やTech企業への投資や提携、学術機関とのオープンイノベーションの展開など共創を通じた新事業構想を目指す。