久保らタレント揃いのU−19代表が目指すのはアジア連覇だ。写真:佐藤博之

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 U-19アジア選手権の準々決勝を制した日本はU-20ワールドカップへの出場資格を得た。だが、選手たちが口を揃えたのは「僕らの目標は優勝なので」という言葉だ。ひとつの目標を為し遂げたのは確かだが、「連覇という目標がまだ残っている」(MF伊藤洋輝)のだ。
 
 ひとつ年下の旧00ジャパン組には、ある種のリターンマッチという思いもある。2年前のU-16アジア選手権、日本はこの準決勝でイラクに敗北。自分たちの力を出し切れずに敗れたような感覚のある試合だった。
 
 DF菅原由勢は「正直に言ってしまうと、あの時は(世界大会出場を決めた)安心感があって、それがプレーに出てしまったところがある」と認め、GK谷晃生は「(準々決勝で)力尽きてしまっていた部分があった」と言う。ただ、ふたりが同時に強調したのは「あの時と今回は違う」ということ。緩むつもりもなければ、安心するつもりもない。世界大会への競争が再開されていることも当然理解している。
 
 年長組の伊藤も「連覇に向けてチームとして気持ちはもう切り替えられている」と強調しつつ、こう続けた。
 
「(負傷離脱した藤本)寛也の分まで戦うんだという気持ちもあるし、安部(裕葵)ちゃんもACLで絶対優勝してくれると思う。だから自分たちもこっちで絶対にアジアを連覇するつもりでいる」
 
 ここで迎える相手がサウジアラビアというのも選手たちに火が入った要因だろう。映像を観て、「今までの相手とは2段階も3段階も上」(菅原)という感触があるからだ。
 
 オーストラリアとの準々決勝(3-1でサウジアラビアが勝利)をフルタイムで観たという伊藤も、「個の力もあるし、守備もすごくまとまっていて、個人頼みの守備じゃない」と警戒を深める。またU-19日本代表のスタッフに聞いてみても、「ノックアウトステージに残ったチームで一番強い」という見解だった。
 
 日本が中3日でこの準決勝を迎えるのに対し、サウジアラビアが中2日という日程面でのアドバンテージはあるが、難敵であることは間違いない。攻撃陣はスピード豊かなアフリカ系の選手が揃っており、サイドからの打開力と2トップの打撃力はどちらも驚異的だ。
 
 とはいえ、これは世界大会をイメージして考えると、むしろ絶好の相手とも言える。サウジアラビア攻撃陣の強さ・速さに対抗できないようでは、世界で勝つことなど夢のまた夢だ。大会を通じて改善できた感触のある守備組織、リスクマネジメントの部分をあらためて出しつつ、相手を上回る攻撃力を発揮できるか。
 
 この準決勝は連覇を目指す戦いであると同時に、「世界」へ向けた試金石となる。
 
取材・文●川端暁彦(フリーライター)