ー結婚の正解が知りたいー

未婚・既婚に限らず、「幸せな結婚とは?」と、頭を悩ませている者が多い現代。

妥協婚、事実婚、国際結婚、授かり婚、年の差婚など、多様性があるからこそ迷ってしまうのも事実。

未婚者は、自分にはどのスタイルが合っているのか。既婚者は、他の選択肢があったのではないか、と一度は考えるのではないだろうか。

結婚に「正解」があるとすれば、自分にとってのそれは何なのか?

結婚してしまった人も、これからの人も、色んな結婚のカタチをご覧いただこう。




File05:スピード婚を選んだ女


名前:樹里
年齢:31歳
職業:女性誌編集
パートナーの職業と年収: 総合商社勤務・年収1,200万
結婚歴:1年
結婚のタイプ:スピード婚

「今の夫である賢人とは、交際期間半年で結婚しました。とは言っても、当時向こうは海外赴任中で、実際に婚約前に会った回数はわずか5回だったんです」

開口早々、明るくサラッと話す樹里。

その明るさで一瞬惑わされそうになるものの、その内容は中々衝撃的なものである。

「みんなに反対されました。5回しか会ってないなんて、絶対うまくいくワケがない、と。お互いのことを知らなすぎるから、もう一度よく考えろとも言われましたね」

しかし周囲の反対をよそに、賢人との結婚生活はもうすぐ一周年を迎える。

「もちろんスピード婚だった故に、こんな人だったの?と驚いたり、苛立つことも多々あります」

さらさらと靡く綺麗な長い髪を耳にかけながら、樹里はニッコリと微笑んだ。

「でも、グダグタ迷っている相手は、きっと本当の運命の人ではない。結婚する時ってパパッと結婚すると思うんですよね」


年齢的に、待っている暇はない!?すぐに結婚した理由とは


出会いは、突然やって来る。


賢人との出会いは、知人の紹介だった。

「その数日前に、私は29歳の誕生日を迎えたばかりで。最後の20代だなぁ〜とぼんやり考えていたタイミングでした」

元々賢人の同期と仲が良かったのだが、その知人から“一時帰国する同期がいるから一緒に飲もう”と誘われたのがキカッケだった。

特に出会いを期待していた訳でもなく、ただ楽しく飲めれば良いと思って参加した食事に、賢人はいた。

「一目見た時から、不思議な感覚でした。初めて会ったはずなのに、どこか知っているような、懐かしいような」

一方の賢人は樹里に一目惚れだったという。

「初対面なのに話がとても盛り上がり、結局その日は夜遅くまで飲みました」

そしてその帰り道、タクシーで樹里の家の前まで送ってもらった際に賢人から突然告白されたのだ。

「突然なのは分かっているけれど、もっと一緒にいたい、と」

しかし翌日には赴任先である香港へ戻らなければならなかった賢人。そしてさすがに初対面で家に男性をあげたくなかった樹里。

結局この日は「ありがとう」とだけ返事をして解散したが、今振り返るとこれが交際開始の記念日になったという。

賢人が香港へ帰ってからも毎日連絡を取り合い、2回目のデートは、1ヶ月後に樹里が香港へ赴く形となった。




「周囲からは、遊ばれているんじゃない?とか、2回目でよく海外まで行けるね、とか散々言われました。それでも、私はそんな意見全く気にならないくらい、たった一度会っただけなのに、強く惹かれていたんです」

しかしそうとは言いながらも樹里自身、実際に香港で賢人に会うまでは不安でいっぱいだった。

「一度会っただけで、2回目にはもう香港へ飛んでいる自分は大丈夫なのかな、とも思いました。でも結果として、フラれるとか遊ばれるとかそんなことを恐れずに、彼を信じて飛び込んで良かったと思っています」

直感を信じて行動した結果、運命は大きく動き出す。香港デートでも大いに盛り上がり、結ばれた二人は更に絆を深めていったのだ。

「その時は二泊三日だったのですが、最後は帰りたくなくて大泣きをしたくらい楽しくて(笑)このまま一緒にいられたらいいなと、お互いが強く思いました」

そして3回目のデートの時に、賢人が近々日本へ帰国することになると知る。その時には何の迷いもなく、日本へ帰国したら一緒に住もうと決めていた。

「3回目は向こうが日本に来て、4回目は私がまた香港へ行って。そして5回目に二人で沖縄旅行へ行った際に、プロポーズされたんです。“一緒に住むならば、結婚しよう”と」

まさに“トントン拍子”のプロポーズ劇。

普通だったら、“たった5回しか会っていないのに”とか“本当にこの人で大丈夫なのか?”と心配になるだろう。

しかし樹里も賢人もそこに迷いはなく、出会った時のファーストインプレッションを信じていた。

当然、周囲の反対は大きかったが、それすらも気にならなかった。

「結婚ってそんなものだと思うんです。付き合ってる期間とか条件とかを頭で考えて婚活している間は、結婚できない。だってそれは、その人が好きなのではなく、“結婚したい”だけだから 」


しかし結婚してから見えてきた彼の本性。見落としていた大事な点


「でももちろん、結婚してから気がついたことも多々有ります」

賢人は仕事後に帰宅するとよく家で仕事の話をする。

それはもちろん結構なのだが、ネガティブな話が多く、聞いている樹里の方がどっと疲れることもあるそうだ。

そして賢人は家では一滴もお酒を飲まず、平日の食事は徹底的にヘルシー志向。一度揚げ物を出したら、嫌な顔をされたほどである。

部屋が汚れているのも嫌いで、意外に神経質。テンションが低い時は、そっとしておかなければならない。

「よくよく考えたら、私たちが会っていた時は毎回“バケーション中”だったんです。だから、私は普段の彼を全く知らなかった」

当然のことながら、結婚とは日常生活である。

バケーション中で何も考えずに楽しく過ごせる時間とは違い、向き合わなければならない問題もたくさんある。

「喧嘩をする度に、“こんな人だったのか!”と気づかされます。私は本当に、彼を知らなかったんだなぁと反省することもしばしば」

そう言いながらも、樹里は幸せそうである。その秘密を聞いてみると、意外な答えが返ってきた。

「交際期間が短いからこそ、仲良くやっているのかも」




「よく10年くらい交際していたカップルが、結婚したらわずか数年で離婚したという話を聞きますが、それは納得できる。マンネリ化する前にパパッと結婚してしまった方が、結婚後も長く恋愛関係でいられるのかも」

お互いをよく知らないからこそ、毎日が新発見で、新鮮さが長続きする。

そんな初々しい関係が、樹里には合っているという。

「一緒に暮らしていく中で、二人の新たな歴史を作っていけるのが、今は楽しいんです」

そう話す樹里の目は、キラキラとしていた。しかし最後に、樹里はこう付け加えた。

「とか言いながら、これから嫌な部分がもっと出てきたら離婚するかもしれませんが」



-スピード婚。

昨今、交際0日で結婚した芸能人カップルが話題となったが、それはある意味正解なのかもしれない。

交際期間が半年でも、結婚する運命ならば結婚する。

その一方で、長期間付き合っていても永遠に結婚には至らないカップルもいる。

特に大人になればなるほど理想ばかりが高くなり、結婚に対して二の足を踏むようになる。そしていつの間にか、無防備に相手の懐に飛び込むことができなくなっている。

そんな臆病になりすぎている私たちには、“勢いで結婚する”という選択肢もアリなのかもしれない。

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気になる国際結婚の実態