就任会見に臨んだエンゼルスのオースマス新監督【写真:Getty Images】

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オースマス新監督「優勝したいと思っている」、大谷を絶賛も「絶対に無理はさせたくない」

 エンゼルスの新監督に就任したブラッド・オースマス氏が22日(日本時間23日)、本拠地エンゼルスタジアムで記者会見を行った。かつてタイガースを率いた経験も持つ49歳の新指揮官は「優勝したい」と宣言。さらに、現在、右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)からの復帰を目指してリハビリ中の大谷翔平投手については「絶対に無理はさせたくない」と話している。

 会見ではまず、ビリー・エプラーGMが監督選考の過程について「数週間前にマネージャー選出を始め、一人一人の情報を深く掘り下げて、知ることに力を入れました。彼らが周りとどう触れ合うか、どうコミュニケーションをとるか、問題解決能力が、そしてなにより成長を続ける貪欲さがあるかという様々な側面から見てきました」と説明。そのうえで、今季からGM補佐を務めていたオースマス新監督を選んで理由については「我々の目標は常に勝つことで、勝つには常に状況に適応し続ける能力が必要です。ブラッドの中には、それらの要素が見られました。彼の好奇心、賢さ、競争心が彼こそ監督にふさわしいという判断に至りました」と明かしている。

 タイガースを率いていたときには、「完全にデータを頼りにする指揮官ではなかった」と米メディアに伝えられているが、オースマス新監督は「これからがとても楽しみで、コーチやスタッフ、選手に会うのが待ちきれません。数字を活用することには変わりありませんが、最優先は選手を成長させつつ強いチーム作りをすることです」と言及。そして、「我々はここに勝つためにいますし、勝つことが最優先だと考えます。過去に私は監督経験がありますが、優勝(リーグ優勝、ワールドシリーズ優勝)はないので、優勝がしたいと思っています。そこが目標になります。私の選手へのメッセージとしては、今日勝ちに行くということ。昨日の結果は関係なく、周りが何を言うかも関係なく、1日1日をそのメンタリティで過ごしていけば問題はないと考えます」と力強く語った。

 注目されるのが、大谷の起用法。今季開幕直後に投打二刀流でメジャーに衝撃を与え、後半戦は打撃に専念して好成績を残した大谷は、シーズン終了後にトミー・ジョン手術を受けた。来季は打者に専念し、2020年から投手としても復帰する予定。スローイングをしないDHであれば、来季開幕に間に合うとの声もあるが、無理して悪化させては意味がない。それだけに、オースマス新監督も慎重さを崩さない。

「彼は特別な才能を持っている。正直に言うと、今年の活躍には感心させられた。賢い選手で、自分のチームにいることを感謝している」と話した指揮官は、会見終了後には「来年は打者として、再来年は二刀流で、というのがシナリオだが、ドクターともよく話し合って決めたい。ただし、無理は絶対にさせたくない」と付け加えた。

 メジャーNO1プレーヤーのマイク・トラウト、そして、大谷という魅力的な戦力を使い、エンゼルスを2002年以来の世界一に導くことができるだろうか。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)