スーファミのサテラビューでSlack受信した動画が公開。お店の買い物リストに新着メッセージを表示
1995年に任天堂がスーパーファミコン用周辺機器として発売し、衛星データ放送サービスを展開したデータ放送受信端末のサテラビュー(モデム)。この懐かしのシステムに、人気ビジネスチャットアプリSlackのメッセージを受信させた動画が公開されています。

最近サテラビューの存在を知って興味を抱いたSlackエンジニアのBertrand Fan氏は「SNES(スーファミ)に衛星放送の信号を送ることができれば、おそらくSlackを走らせることができる」と考えたとか。その思いつきを数々の技術を投入して実現したものが、以下の動画となります。

ほとんどのスーファミ用ゲームは外部と通信しない閉鎖したシステムですが、そもそもサテラビューは衛星からのデータ受信を前提とした開かれた作りです。

そこでFan氏が目をつけたのが『BS-X〜それは名前を盗まれた街の物語』という、RPG風のマップに様々な施設(衛星放送データにより更新される)が配置されたソフトでした。

まず必要とされるのはスーファミのエミュレータです。サテラビューをサポートするbsnes-plusを選び、MacユーザーのFan氏は自らコンパイル(OS X用バイナリがなかったため)。コントローラーはスーファミ用の実物を使い、Bluetoothアダプタを介してMacに接続したとのこと。

次にFan氏は衛星放送データのバイナリを生成できる「SatellaWave」というツールを作成した上で、お店の買い物リストに着目。アイテムの名前に時間と送信者を、説明書きをメッセージのテキストとして流用したわけです。


さらにSlackのAPIとボット、SatellaWaveを組み合わせ、新着メッセージが届くたびに放送データのバイナリをプッシュ配信。それを受信したお店の買い物リストに反映され、Slacのメッセージがリアルタイムで更新される荒業を実現したということです。

サテラビューは衛星データ放送を受信するのみの一歩通行のため、「スーファミからSlack投稿」は不可能と思われます。それでも2000年のサービス終了から18年ぶりに、エミュレータ上とはいえ息を吹き返したのは、えも言われぬ感慨が湧き上がります。

この実験に触発されて「サテラビュー実機でSlackを受信」を成し遂げる強者が現れるかもしれません。