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<理由 簍菁以降の給料は上がらない

 2019年10月からの消費税増税が決まりました。飲食料品を除き8%から10%へと引き上げられます。「たかだか2%だから影響は少ない」という人もいるようですが、たかが2%されど2%です。

 消費税が上がるということは、企業の一般経費も2%支出が増えるということです。例えば、A社の荷造運賃、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、修繕費、消耗品費の8つの経費が、毎月1000万円かかっていたとします。これが、2%増えるということは、8000万円が8160万円になるということです。年間1920万円の経費増になります。

 A社は、この経費増を何かで吸収しなければ利益が落ちることになります。商品価格を上げざるを得ないとしても、社員の給料を上げることは難しいでしょう。

「内部留保から回せばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、そんな状況ではありません。来年10月から商品価格を上げると便乗値上げと言われるので、すぐには上げないとしても、再来年(2020年)から徐々に値上がりが進みます。給料が上がらないのに物価だけ上がると不景気になります。

「東京五輪があるから景気は良くなる」でしょうか。それ以上に、オリンピックの後は、多くの国が不況になっています。日本も例外ではないでしょう。20年8月以降、リーマンショックならぬオリンピックショックに見舞われるかもしれないのです。そんなことが予想されているのに、19年や20年に給料を上げる企業があるでしょうか。

<理由◆篶通業、外食産業が不況になる

「たかが2%だから消費者は節約しない」でしょうか。

例えば、家族4人で週に1回ショッピングセンターのフードコートで食事をしているとします。4人合計で、2500円の出費をしているとすると、店内飲食であれば2%増税されるので、支出が2550円と50円の支出増になります。1カ月に4回なら200円多く出費することになります。土日は外食となれば、8回400円です。テイクアウトすれば、1カ月で400円節約できるのです。

「給料は上がらない、物価は上がる」という状況で、節約はますますエスカレートするでしょう。どこから節約するか、まずは食費です。普段の買物はできるだけ安く、外食は回数を減らすか、1回当たりの出費を少なくするかになります。

 しかも、増税されるのが10月からです。年末年始は、流通業界、外食産業にとって、一番の書き入れ時です。年末を迎えようとするときに増税されるのです。流通、外食だけでなく、食の業界にとっては、最悪のタイミングの増税です。

<理由>地方や中小企業に打撃が大きい

 オリンピック景気は、首都圏や大企業に恩恵はあっても、地方や中小企業は、それほど期待できません。オリンピックの時期に、外国人観光客が増えるといっても、オリンピック観戦が主たる目的です。地方まで観光しようという人は少ないでしょう。逆に、この時期はオリンピックの観光客が増えるので、それ以外の目的で日本に行きたいという人は避けるでしょう。首都圏は観光客であふれても、地方は閑古鳥かもしれません。

 もう1つ、中小企業には大きな課題があります。今までこの連載で述べてきたように、2020年という年は、食品業界にとっては食品表示法の猶予期間が終わります。飲食業界には、HACCP制度の導入が義務付けられます。詳細は、今までの連載を参考にしていただきたいのですが、どちらも中小企業にとっては負担が大きい法律です。中小企業にとっては、事業を継続できるかどうかという問題をはらんでいるのです。

 増税が決まったことで、ますます2020年は、食品業界にとって大きな転換期になります。この試練を乗り越えるためには何をしなければいけないのか、今から考えておきましょう。