3歳牡馬クラシック三冠の最終戦となる菊花賞(10月21日/京都・芝3000m)が10月21日に行なわれる。

 昨年は、1番人気のキセキが勝利を飾ったものの、2着に10番人気のクリンチャー、3着に13番人気のポポカテペトルが入って、3連単で55万9700円という高配当をつける大波乱となった。

 そして今年も、前哨戦を快勝したダービー馬が出走を見送り。昨年と同じような状況となって、再び”大荒れ”という結末が待っているのだろうか。

「確かに今年の菊花賞は、日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)を制して、秋初戦のGII神戸新聞杯(9月23日/阪神・芝2400m)でも地力の違いを見せたワグネリアンが不在。また、その神戸新聞杯で、皐月賞馬のエポカドーロが発馬後につまずいて4着に敗れたことによって、一気に混戦ムードになりましたね」

 中日スポーツの大野英樹記者はそう言って、波乱の目は否定しない。

 そんななか、目下の下馬評では、神戸新聞杯でワグネリアンに半馬身差まで詰め寄ったエタリオウと、この夏に古馬混合のGIII新潟記念(9月2日/新潟・芝2000m)を快勝したブラストワンピースが高い評価を得て、ここに本番での巻き返しが期待されるエポカドーロを加えた3頭が上位人気を争うと見られている。

 そうした様子を踏まえて、スポーツ報知の坂本達洋記者はこんな見解を示す。

「セオリーで言えば、過去10年で8勝と、圧倒的な実績を残している神戸新聞杯組を重視すべきでしょうね。それと、ゆったりとした異例のローテーションですが、ブラストワンピースも有力馬であることに間違いはありません。

 しかし長丁場の3000m戦は、逃げ、先行馬の番狂わせが付きもの。かつて、マンハッタンカフェが勝った2001年の菊花賞では、11番人気のマイネルデスポットが大逃げを打って2着に入り、波乱を演出しました。本質的にステイヤータイプの逃げ、先行馬が、アッと言わせる可能性は考えておきたいところです」

 とすると、神戸新聞杯でスタート後につまずいて、得意の先行策に持ち込めなかったエポカドーロの反撃がある、ということだろうか。


セントライト記念を勝って菊花賞に挑むジェネラーレウーノ

「いえ、ステイヤータイプと考えて推奨したいのは、ジェネラーレウーノです」(坂本記者)

 同馬は、年明けにGIII京成杯(1月14日/中山・2000m)を勝って、クラシック一冠目の皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)でも、超ハイペースのなか、先行して3着に粘り込んだ実力馬。この秋初戦も、東のトライアル・GIIセントライト記念(9月17日/中山・芝2200m)を快勝し、上昇ムードにある。

「2歳時からコンスタントにレースを使われてきたジェネラーレウーノ。休み明けの前走、セントライト記念でもきっちり勝ち切ったことは評価できます。

 同レースでは、タニノフランケルが大逃げを打ちながら、前半1000mのラップが60秒9。平均ペースで、思ったよりも速い流れになりませんでした。そうした展開にあって、2番手につけたジェネラーレウーノを含めた後続は皆、3コーナー過ぎには(鞍上の)手が動き出してスパートをかけます。

 結果、レース後半は厳しい展開になりましたが、ジェネラーレウーノは最後まで脚色が鈍らず、余裕を持ってゴール板をトップで通過。その長く脚を使えた走りは、菊花賞の舞台にマッチします。

 また、今度は直線が平坦になるのもプラス。抜け出してからフワッとするような精神面の課題も改善されてきているようですし、ひと夏越して成長を感じさせる同馬への期待は大きいです」

 一方の大野記者も、ひと夏越しての成長がうかがえる1頭をピックアップ。前走で古馬混合の1000万条件・信濃川特別(8月4日/新潟・芝2000m)を完勝したグロンディオーズをオススメする。

「半兄に目黒記念(東京・芝2500m)を勝ったムスカテールがいるグロンディオーズ。父がマヤノトップガンからルーラーシップに代わりましたが、昨年の菊花賞もルーラーシップ産駒のキセキが勝利していますから、スタミナ面でのマイナス要素はまったくありません。

 それに、ゆったりとした大きな跳びでありながら、コーナーワークを器用にこなすセンスを兼ね備えているのも強み。京都・芝3000mは、この馬にとって絶好の舞台と言えます」

 さらにもう1頭、坂本、大野両記者が注目している馬がいる。アフリカンゴールドである。

 同馬は初勝利が今春の4月と遅かったが、そこから4戦3勝と軌道に乗ってきた。しかも、オーナーのゴドルフィンは、ファインニードルで今秋のスプリンターズSを制してスプリントGIの春秋連覇を達成。海外でも英国ダービーで戴冠を果たすなど、非常に勢いがある。

「アフリカンゴールドの前走は、古馬混合の1000万条件・兵庫特別(10月2日/阪神・芝2400m)。同馬は好位2番手につけると、楽な手応えでレースを運んで、2着に4馬身差をつける圧勝劇を演じました。その走りは、まだまだよくなりそうな雰囲気があって、今回も前々で運んで一発がありそうです。

 あと、皐月賞と菊花賞を制したゴールドシップや、三冠馬オルフェーヴルを送り出したステイゴールド産駒というのも魅力。ノーマークにするのは危険です」(坂本記者)

「アフリカンゴールドは、初勝利が2400m戦だったように、距離を延ばして持ち味を発揮してきました。と同時に成長も見せており、古馬を楽々と突き放した前走・兵庫特別のレースぶりは圧巻でした。充実期を迎えて、菊花賞に臨めるというのも、巡り合わせのよさを感じます」(大野記者) 未知の距離に挑む3歳馬たちの過酷な戦いは、まさに波乱必至。予想もしなかった”王者”が誕生してもおかしくない。その候補が、ここで名前の挙がった3頭の中にいる可能性は大いにある。