日本代表史上、類を見ない最高のスタートを切った森保ジャパン。橋本英郎が充実の3試合を斬る! 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 ご無沙汰しておりました。ロシア・ワールドカップでの燃え尽き症候群に陥っておりました。
 
 というのは冗談ですが、久々のコラムは、新生日本代表の3戦目となったウルグアイ戦です。4-3の勝利に終わった一戦を含め、これまでの3試合から感じた森保ジャパンの印象について、今回は書かせていただきます。
 
 日本代表監督が西野朗監督から森保一監督に代わり、チームやスタイルはどのように変わったのか。また、ロシア・ワールドカップ出場組の扱いはどうなるのか。このあたりを中心に、現在の森保ジャパンを個人的に分析してみます。かなり偏った考えかもしれませんが、ひとつの意見として読んでいただけたら嬉しいです。
 
 森保監督にはどうしてもサンフレッチェ広島でやっていたシステム、そして東京オリンピック世代の試合のイメージが強くあり、A代表をどのように4年後のワールドカップに向け成熟させていくのか、正直想像がつかないです。
 
 そのため試合内容やメンバーを含め、4つのポイントから様子を見ていこうと思います。
 
 まず1つ目は「システム」に関して。
 
 こちらは実にオーソドックスなフォーメーションを採用しているように感じます。4-5-1(4-2-3-1)は日本のJリーグのチームが昔から多く取り入れていて、また育成年代でもよく活用されるフォーメーションです。
 
 監督がサンフレッチェ時代に多用していた3-6-1は育成年代であまり経験したことがないフォーメーションだと思いますが、新たな日本代表で採用されているそれは、観る側、そしてプレーする側にもお馴染みのものです。それもあって、ここまでの3試合すべてで得点を多く決め、個人の能力もスムーズに引き出されているように感じます。

 
 2点目は「全員守備、全員攻撃」が形になっている点。
 
 これはロシア・ワールドカップで構築された良い部分だと思います。西野前監督が植え付けた感覚をそのままヘッドコーチだった森保さんが現在の日本代表に落とし込んだ。
 
 とくに守備面で大きな効果が出ています。前線でボールを奪ってゴールに繋げるシーンが本当に増えました。親善試合なので、対戦相手はそこまで素早いプレッシャーを掛けられると想像していなかったのかもしれませんが、大きな強みとなっています。最終的に球際で負けていても相手選手に良い状態でシュートを撃たせない。前線からの果敢な守備が、最終的に自陣ゴール前での相手選手のプレー精度をも下げているように感じました。
 
 3点目は、「ドリブルでの打開力と得点力」を持った若手の起用です。
 
 中島翔哉選手は、ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督も実力を認めて招集していたので、ある程度はみなさんもプレーの質やタイプを理解していたと思います。では、堂安律選手と南野拓実選手はどうでしょう。所属リーグのレベルがよく分からず、プレー映像もあまり多くないので、どこまでできるのか見えない部分が大きかったと思います。
 
 南野選手は、セレッソ大阪にいた当時のイメージとして、突破までは上手く行くけど最後のフィニッシュでミスや焦りがある、なかなかゴールを決め切るところにまでは達してないという印象でしたが、オーストリアでは短い出場時間のなかで結果を求められ、しっかりゴールを決めて活躍しています。堂安選手は、ガンバ大阪に在籍していた最後の方から得点力が冴えはじめて、その流れを新天地のオランダにも持ち込んでゴールを量産しました。
 
 ドリブラーの利点は、ロシア・ワールドカップで乾貴士選手が大活躍したことからも一目瞭然です。