緑ののれんが営業の目印。確実に入店するには、予約必須だ/(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也

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高層ビルが立ち並ぶ武蔵小杉駅で、昭和の香りがする「センターロード小杉」。古い居酒屋が密集する商店街エリアだ。その中でも、ひときわ人気なのが「ジンギスカン どぅー」。その名前の通り、ジンギスカンの専門店だ。

【写真を見る】昭和の香りが漂う「センターロード小杉」内にある/(C)KADOKAWA 撮影= 神保達也

北海道を愛する、地元出身の店主・木口圭二さんが営む専門店。開店してまだ14年というから、周辺の中では新しい店かもしれない。木口圭二さんは北海道が大好きで、なんども北海道に足を運んでいるうち、理想のジンギスカンに出合い、その味に惚れ込んだのだという。以前は店主の母親が営む居酒屋だったが、ジンギスカン専門店として再出発した。

北海道のジンギスカン店と同じ卸問屋からオーストラリア産のラムを仕入れるところが、本場の味を楽しめると言われるゆえんだ。ここの特徴は「生ラム」であること。ジンギスカンには好みが別れるところだが、羊肉の臭みは冷凍保存によるものであると言われる。こちらのジンギスカンは、生肉であるため臭みが全くないのだそう。道外では、臭みがない方が食べやすいかもしれない。

そんなジンギスカン専門店で、こちらでしか味わえないメニューがある。常連客がこぞって食べに来るメニュー・チャックロール網焼き1,080円だ。脂も甘い肩ロース肉で、一頭のラムから5人前程度しか取れない希少部位。ジンギスカン店ではあまり見かけることがないほどだ。

あのジンギスカン鍋ではなく、網焼きで焼くのも珍しい。新鮮なラム肉なので、少し赤みが残っていても安心。柔らかで噛むと脂がギュッと出てきて、臭みは全くない。生肉を塊で仕入れ、注文のたびに手切りする。スライサーではないため、肉の繊維を壊さないのも食感に違いが出るのだとか。店主が探した能登半島の珠州塩をつけて味わうと、塩気の中で脂の甘さが際立つから不思議だ。

もちろん、網焼きで肉の実力を測ったところで、おなじみのジンギスカン鍋でのジンギスカンが登場。ジンギスカンセット1,080円(1人)。ラム肉と野菜の盛り合わせだ。この店では、網焼き→ジンギスカンという流れが定番だ。いずれも臭みはない。ジンギスカンは、特製ダレに、ニンニクや一味をカスタマイズして味わおう。

ジンギスカン鍋で一緒に頼みたいのは、北海道の羊肉ウィンナー896円(3本・1種)。こちらも旨味がたっぷりで、食感プリプリ。生ウィンナー、チョリソー、スモークの3種があるので、食べ比べてみよう。

今では内地でもさまざまな場所で味わえるようになったジンギスカンだが、数年前まで武蔵小杉でもここだけだったというから、地元のジンギスカンの草分け的存在だ。また、炭火で焼いているため、満席時の店内は煙がモクモク! 少し煙いが、ジンギスカン肉との相性はバッチリ。本場までいかなくとも、地元で味わえるのがうれしい。周辺の雰囲気とともに楽しんでみては。人気店ゆえ、週末の来店は予約をするのがオススメだ。(横浜ウォーカー・構成・取材・文/濱口真由美、撮影/神保達也)