なぜ5機種だけ? auの2018年秋冬モデルで“少数精鋭”を実現させたiPhoneの存在

KDDIおよび沖縄セルラー電話は11日、au向けの新製品「2018年 秋冬モデル」を発表した。
10月から11月にかけて発売予定の新製品は、5つのモデル。
・Xperia XZ3 SOV39(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)11月上旬発売
・Galaxy Note9 SCV40(サムスン電子製)10月下旬発売
・AQUOS sense2 SHV43(シャープ製)11月上旬発売
・LG it LGV36(LGエレクトロニクス製)11月上旬発売
・INFOBAR xv(京セラ製)11月下旬発売
スマートフォン4モデルに加え、ケータイ(ガラケー、フィーチャーフォン)のINFOBAR xvというラインアップだ。
今回のKDDI auの新製品には、前日の10日にグーグルが発表した新型スマホ「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」は、含まれていない。
「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」は、国内大手通信キャリアからはNTTドコモとソフトバンクが11月1日に発売することを発表している。
11日に都内で開催された報道陣向けの「タッチ&トライ」の会場では、この点について記者からも質問が飛んだ。
KDDI auの回答は
「(Pixel 3シリーズの取り扱いは)見送った」
とのこと。
KDDI auは、今回発表したラインアップで勝負に出る姿勢を示している。
Googleの「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」は含まれてはいないが、
確かに、今回の製品ラインアップは、バランスがとれているという見方はできる。
「Xperia XZ3」
「Galaxy Note9」
この2つは、世界市場でも評価の高いグルーバルモデルのau版であり、ハイスペックモデルだ。
どちらも
・固定ファンが多い
・純粋に基本性能が高い
このことからも、性能や機能にこだわりのある人は、この2機種のいずれかを選ぶ人が多いだろう。
一方、一般層には、国内ユーザーに人気の高い
「AQUOS sense2」
こちらが用意されている。
AQUOS sense2は、ミドルレンジモデルで、普段使いには充分な性能と使い勝手の良さを備えたモデルだ。
人気のカメラ機能もブラッシュアップされているのが特徴だ。
・アウトカメラにはAIオート機能
・インカメラにはビューティーモード
ハイスペックモデルに搭載されている機能も追加されている。
そして初心者向けには、「LG it」が用意されている。
「INFOBAR xv」は、いわゆるガラケーである。
・スマホではなくケータイが欲しい
・通話メインでの2台目として欲しい
・INFOBARファンとして欲しい
こうしたニーズを満たしたモデルだ。
このように今回のKDDI auのラインアップは、実に無駄がない。
ユーザーニーズに合わせて、最少の製品を用意することで、迷わずに機種選択できるだろう。
とはいえ、これまでの新機種ラインアップと比較すると、正直、心許ない感は否めない。
では、なぜ、ここまで思い切ったラインアップにできたのか?
その背景には、新型iPhoneの存在があると思われる。
最新のiPhoneは、新スタイルに統一された3モデルが出揃った。
・iPhone XS
・iPhone XS Max
・iPhone XR
また、モデル毎に
・内蔵ストレージ(容量)
・カラー
のバリエーションでモデル数が増える仕様になっている。
・iPhone XS :3色、3容量
・iPhone XS Max:3色、3容量
・iPhone XR :6色、3容量
合計すると、36モデルにものぼる。
しかも、いずれもハイエンドクラスとなっている。
つまりiPhoneを加えれば、ハイエンドスマホは5機種あり、一番人気のiPhoneで
36モデルも揃っていることになる。
結果、ハイエンドを選びたいユーザー向けには、
・iPhoneシリーズ
・Xperia XZ3
・Galaxy Note9
価格重視でミドルレンジを選ぶユーザーには、
・AQUOS sense2
初心者向けには、
・LG it
ガラケーニーズには、
・INFOBAR xv
Googleの「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」を見送りも、ハイエンドモデルの絞り込みも、ハイエンドモデルでのiPhoneの選択肢が増えたことに要因があるといっても良いだろう。
結果として、KDDI auの新製品は、実に
・自分に適したモデルが、選びやすい
・自分に適したモデルが、わかりやすい
“少数精鋭”のラインアップになっているのである。
執筆:2106bpm