パナマ戦でフル出場。冨安は上々のパフォーマンスでA代表デビューを飾った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2018]日本 3-0 パナマ/10月12日/デンカS
 
 弱冠19歳にしてA代表デビューを飾った大器は、吉田麻也を超えられるのか。
 
 10月12日のパナマ戦で冨安健洋がフル出場。安定した守備で完封に貢献し、磨きをかけているというフィードでも魅せた。
 
 身長188造蚤もとのテクニックも備える逸材。アビスパ福岡から今年1月、ベルギーのシント=トロイデンに移籍した冨安は、今季のリーグ戦で定位置を掴んでおり、サッカーファンからしてみれば知っていて当然の存在だろう。しかし、もしかしたら一般的な認知度は低いかもしれない。A代表に初招集された9月シリーズ、もしくはこのパナマ戦で知った人も少なくないのではないか。
 
 それだけに、このスケール感漂うCBのパフォーマンスは、多くのサポーターに好印象を与えたはずだ。実際、ツイッターなどのSNS上では、多くの称賛の声が挙がっている。

 ただし代表初出場とは思えない堂々たる風格を見せつけた一方で、課題がなかったわけではない。時にマークの受け渡しに遅れが生じたり、62分には自陣でボールを奪われてカウンターの原因になるシーンも見受けられたりもした。
 
 冨安自身も「まず無失点に抑えられたこと。そこは毎試合求めているところなので、良かったのかなと思います」と手応えを語りつつも、「でも、細かいミスもありましたし、決してパーフェクトなゲームでもなかったので、また映像を見返しながら、反省して次に活かしたいです」と振り返った。
 
 弱冠19歳で代表デビューしても決して慢心はない。それは、「堂安(律)も同学年で、まだ僕は誕生日が来ていないだけです。同世代にはたくさん良い選手がいて、そういう選手の活躍も刺激になっていますし、負けないようにと思いながらやっています。切磋琢磨しながらやっていければいいです」という、9月のコスタリカ戦でひと足先に代表初キャップを刻んだ堂安を例に出した真面目なコメントからも分かる。
 そんな“堅実派”の冨安が挑むのは、吉田という高い壁。冨安と同じように、若くして欧州に飛び立ち(21歳でオランダのVVVに移籍)、現在はプレミアリーグのサウサンプトンでプレーするCBとのポジション争いである。
 
 日本人CBでは突出した実力者で、ヴァイッド・ハリルホジッチ体制、西野朗体制で不動の地位を築き、さらに30歳を迎えて円熟味を増す吉田を打ち負かすのは容易ではないだろう。冨安も当然それは理解しており、だからこそ「まだ1試合出場しただけですし、これでどうこうというわけではない。また練習からアピールしないといけないですし、立場は変わらないと思います」と、毅然とした態度を貫いている。
 
 もっとも、パナマ戦で見せたように、そのポテンシャルに疑いの余地はない。この調子で飛躍的な成長を続けていけば、遅かれ早かれ日本代表の中心選手になるはずだ。問題は、いつ吉田に取って代わるのかだ。もちろん、吉田だけでなく、槙野、昌子、三浦など越えるべき選手は他にもいる。
 
 次のウルグアイ戦で先発出場が濃厚な吉田のプレーをどう見るのか。あるいは、ともにプレーして何を学ぶのか。いつか定位置を奪うためにーー。冨安の挑戦はすでに始まっている。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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