3歳牝馬三冠の最終戦である秋華賞(10月14日/京都・芝2000m)は、三冠達成を目指すアーモンドアイが断然人気になりそうだ。

 春の二冠を完勝しているのもあるが、その桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)、オークス(5月20日/東京・芝2400m)でしのぎを削ってきた面々がここに来て次々に脱落。最大のライバルと目されるラッキーライラックも、ここまでの過程で順調さを欠いているうえ、主戦の石橋脩騎手が直前に落馬負傷して急遽乗り替わりという憂き目に合うなど、アーモンドアイへの追い風がますます強くなっているからだ。

 ともあれ、秋華賞の過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着1回、3着2回、着外4回。全幅の信頼が置けるほどの成績ではないが、1番人気が勝っても3連単が8万円超えの好配当をつけたこともあって、穴党にとってはまんざらでもないレースと言える。

 では、どういった馬が”穴馬”として狙えるのか。日刊スポーツの太田尚樹記者はこう語る。

「秋華賞は毎年、京都の開幕2週目に開催されていて、舞台となるのは内回りの芝2000mで、最後の直線が平坦のコース。いかにも先行馬が有利のように思えるんですが、逆に後方待機組のほうが大活躍しているレースです。

 実際に最近5年の連対馬10頭は、すべて4コーナーを迎えて5番手以下。驚くほど、先行勢は壊滅状態です。今年の京都も、芝レースでは開幕週から差し馬が台頭しており、この傾向は続きそうです。穴馬探しは、後方待機組から探すのがいいのではないでしょうか」

 馬場のよさとコース形状からして、先行馬有利のイメージがあるが、それを騎手が意識するあまり、そうした脚質とは間逆の脚質の馬が秋華賞では台頭している。

 そうした傾向も、アーモンドアイにピタリとハマる。どうやら、アーモンドアイを嫌うよりは、同馬との組み合わせでも好配当を狙える”お宝馬”を探したほうがよさそうだ。

 そこで、太田記者は大穴候補として1頭の名前を挙げる。


秋華賞でトーセンブレスの大駆けはあるか

「ガラリ一変があって怖いのは、トーセンブレスです。ローズSでは、先行して最下位と案外な結果に終わりました。レース後、鞍上の柴田善臣騎手も『(この結果は)何なんだろう? わからない……』と首を傾げていました。

 それでも、2歳時のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)や桜花賞では、ともに後方から追い込んで4着と善戦。本来の後方待機に徹して、末脚を生かせることができれば、面白い存在だと思います」

 翻(ひるがえ)って、デイリースポーツの大西修平記者は、太田記者とは違う視点から穴馬をピックアップする。

「個人的には、過去4年で4頭が連対している紫苑S(中山・芝2000m)組が狙い目だと思います」

 紫苑S組は、昨年も1着ディアドラが秋華賞を制し、一昨年も2着ヴィブロス、5着パールコードが本番でワンツーを決めている。ローズSよりも主流路線としてのイメージが乏しいためか、同レースを勝っても人気になりづらい側面があり、穴党にしては一段と食指が動かされる。

 今年は勝ち馬ノームコア、2着マウレアも出走を回避してしまったが、それでも大西記者は紫苑Sの敗戦組からの巻き返しに期待する。

「最初に注目したいのは、パイオニアバイオ。紫苑Sでは小回りの内枠でさばきづらいところがありながら、最後は勝ったノームコアに次ぐ、上がり33秒8の末脚を披露して4着と健闘しました。

 オークス7着以来の実戦で、良化途上のなかで迎えたレースだったことを思えば、十分な内容でした。本番では、息遣いや反応にさらなる良化が見込めるはずです。

 京都は初めてですが、母のアニメイトバイオが2010年の秋華賞で2着。血統的には舞台適性も高いと見ています。芝2000m戦では3戦1勝とはいえ、敗れた2戦はいずれも重賞で、紫苑S4着、春のフローラS(4月22日/東京・芝2000m)が2着。パイオニアバイオにとっては現状、一番力を発揮できる条件ではないでしょうか。

 紫苑S組からはもう1頭、ランドネが気になります。同レースではハナを切って3着。勝ち時計が1分58秒台という速い決着に対応し、最後まで踏ん張れたのは収穫です。この馬も京都は初めてですが、直線が平坦になることで、さらに粘りが増す可能性が高いです。

 最終追い切りでは、栗東の坂路で4ハロン51秒9の好時計をマークするなど、叩いた上積みも十分。今回鞍上を務める戸崎圭太騎手も、3走前のスイートピーS(4月29日/東京・芝1800m)で騎乗して、番手から抜け出して勝っているように、いいイメージを持っていることが心強いです。

 各馬がアーモンドアイを意識するあまり、前にいく馬への警戒が薄れれば、先行勢で一番魅力があるのは、スピードとパワーを兼ね備えたこの馬だと思っています」“荒れる”牝馬のGI。アーモンドアイが三冠を成し遂げたとしても、ここに挙げた面々が上位に食い込めば、かなりオイシイ配当が見込めるのではないだろうか。