威力満点のワンツーでKO勝ちを決めた井上尚弥【写真:Getty Images】

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豪州のボクシング記者が決定的瞬間を捉えた動画を公開

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級1回戦で圧勝したWBA世界同級王者・井上尚弥(大橋)。全世界120か国で中継されたWBSSシーズン2の幕開けに相応しい圧巻のKO勝ちで難敵、元WBAスーパー王者のフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)をわずか70秒で倒したが、豪州のボクシング専門記者はKOシーンを完璧なアングルから捉えた動画を公開。「キャンバスに倒れたパヤノの顔を見よ!」と戦慄のワンツーの威力に注目している。

 全世界のボクシング界を震撼させた衝撃の70秒――。あまりに早く訪れたクライマックスの動画をツイッターで公開したのは、米衛星放送局「FOXスポーツ」オーストラリア版のダニエル・アティラス記者だった。

 その瞬間はロープ越しに克明に捉えられていた。ステップインした井上がストレートのような左ジャブを出した次の瞬間、電光石火のスピードで渾身の右がパヤノの顔面を捉えた。

 勝利を確信したモンスターは右手を高々と挙げる中、カメラはリングに大の字に倒れこんだパヤノを追った。猛者は必死に立とうとするが、足が動かない。虚ろな表情のパヤノは何とか跪いたところで、レフェリーがストップ。衝撃のKO劇はあっという間の閉幕となった。

「イノウエのノックアウトを新たなアングルで。キャンバスに倒れたパヤノの顔を見よ!」

 世界ボクシング殿堂の選考委員を務める専門記者のアティラス氏はこう伝えている。キャリアで一度もKO負けがなかったパヤノの茫然自失の表情、そして、勇敢な猛者の心をへし折ったワンツーの威力を表現している。

衝撃シーンにファンは再び驚愕「自分にはこのパンチが見えないんだ」

 閃光のような高速ワンツーに、横浜アリーナでも一瞬何が起こったのか理解できない観衆が続出したが、完璧なアングルで捉えた動画で海外のボクシングファンも衝撃を新たにした様子だ。

「彼の心は戦いを続けたかった。しかし、体がノーーーーーーーと叫んでいた」
「ゲーム・オーバーだ。イノウエはマシーンだ」
「ボリュームを大きくしてみれば分かる。この男はキラーだ」
「まさに致命的。このショットは速すぎてスーパーパワフル。彼も気合いで立ち上がろうとしたが、体が言うことを聞かなかった」
「バス何台分の衝撃だよ」
「マジかよ。レンガ袋で殴られたようだ。この右は致命的だ。ギャップを作ったのは左。美しいパンチだ。危険だが、美しい」
「ワオ、ジャブで完璧に視界を閉ざした。右は絶対に見えなかった」
「みんな目がいいな。なぜなら自分にはこのパンチが見えないんだ」
「イノウエは本物だ」
「イノウエはこの階級のモンスターだよ」

 分かりやすいアングルでも見えないという声が出るほどの井上のキラーブロー。「The Monster」の異名に相応しい衝撃のKOシーンを、海外のボクシングファンも何度も見返しているようだ。(THE ANSWER編集部)