追加招集の知らせを受けたとき、川又堅碁は京都にいたそうだ。そこで急いで休みだった美容師に連絡を取り、長さを五厘に頭をセットして新潟にやってきた。

前回招集されたのは2017年末のE-1チャンピオンシップ。そのときも追加招集だった。川又は「追加招集されることが多いですけど、ピッチに入ったらそんなの関係ないので」と気にしている様子もない。

しかし今回はこれまでに比べると特別だ。「J1で初ゴールを決めたのが新潟なので、すごく思い出深い」という場所でプレーするのだ。

「新潟でやれるというのは、しかもこのタイミングでの招集なので」「チームとしていい結果を出しつつ、自分も何らかの結果を出したいと思います」

E-1チャンピオンシップでは身体を張ったプレーでチームの雰囲気を変えた。だがワールドカップメンバーには入ることができなかった。「今回は全然違うチームだし。ワールドカップに選ばれなかったのは悔しかったけど、みんなのレベルに追いつけるように頑張ります」

もっとも選ばれたときのための準備はしていた。9月のコスタリカ戦を見て、自分がプレーするイメージは持っていたのだ。

「自分が起点になるんだったら最初のアクションのときに、2列目の選手がドリブルに長けてたり前に推進力のある選手が多いから、そういう選手をうまく使えるための基点になりたい」

「28歳ですけど、初々しく頑張ります」。最後に川又はそう言って報道陣を笑わせると、意気揚々とバスに向かって行った

【森雅史/日本蹴球合同会社】