厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第20回:ワールドプレミア

 先日、前人未到のJRA通算4000勝を達成した武豊騎手。50歳を前にして”偉業”を成した天才ジョッキーは、今後さらなる活躍を見せてくれるだろう。

 現に、来春のクラシックを狙う有力2歳馬の中にも、彼とコンビを組んでデビューを迎えようとしている馬が数多くいる。

 栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎に所属するワールドプレミア(牡2歳/父ディープインパクト)も、その1頭である。


来春のクラシックを見据えているワールドプレミア

 母はドイツ生まれのマンデラ。ドイツやフランス、アメリカのレースにも出走し、GIドイツオークス(ドイツ・芝2200m)で3着になるなどの実績を残している。

 ちなみに、マンデラの半弟マンデュロは、欧州のGIを3勝。その当時(2007年)、世界ホースランキングの芝部門で世界1位の座に就いている。

 マンデラは引退後、しばらくしてから日本に来ると、繁殖牝馬となって早速才能豊かな産駒を送り出した。2009年生まれのワールドエース(牡、父ディープインパクト)である。

 同馬は早くから「クラシック候補」と称されて、実際に世代の”主役”を張ってクラシックに臨んだ。結局、栄冠を手にすることはなかったが、GI皐月賞(中山・芝2000m)で2着と好走。1番人気に推されたGI日本ダービー(東京・芝2400m)では4着に終わったものの、実力の高さは十分に示した。

 その後はケガに泣かされて1年半以上の休養を余儀なくされたが、復帰後2戦目のGIIマイラーズC(京都・芝1600m)をレコード勝ち。能力があることを改めて証明した。

 マンデラの子として、そのワールドエース以来の牡馬誕生となったのが、ワールドプレミア。そのため、関係者の期待も大きいが、同馬にかかわってきた人々はどんな感触を得ているのだろうか。

 育成を担当したノーザンファーム早来の山内大輔氏は、春の取材でこんなコメントを残していた。

「背中の感じがすごくいいですね。トモ(※腰から後脚の付け根)などは、これから力がついていく感じです。ただその分、伸びしろは相当ありそうです。最初は線が細いところもありましたが、それもよくなってきました。今後、かなり成長してくるかもしれません」

 そうして、ワールドプレミアは現在、トレセンに入厩。調教の動きから、春当時に期待されていた成長が十分に感じられるようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ワールドプレミアの動きを見て、陣営は走りそうな手応えをかなり感じているようです。スタッフは『大跳びで、フットワークが上質。背中の使い方もすごい』と言って、『将来性はあるし、来春、大きなところを目指せる馬』と絶賛していましたからね。

 事実、まだ軽く仕掛ける程度の調教ですが、余裕たっぷりの様子。走る馬特有の身のこなしや雰囲気を持っています。期待の1頭と言えるでしょう」

 陣営の評価はすこぶる高いが、今年のダービー馬ワグネリアン(牡3歳)を輩出した友道厩舎ゆえ、その信頼性は高い。客観的に見ているトラックマンの口ぶりからも、同馬への期待は一層膨らむ。 初陣の予定は、10月21日の2歳新馬(京都・芝1800m)。4000勝を達成した武豊騎手を背にしてどんな走りを見せるか、必見である。