初秋の古都で繰り広げられる伝統の一戦、GII京都大賞典(京都・芝2400m)が10月8日に行なわれる。

 年末まで続く、古馬GI路線のステップレースであり、過去にも多くの実績馬がこの舞台を踏んできた。とはいえ、過去10年の結果を振り返ると、そうした実績馬を向こうに回して、穴馬が台頭するケースがしばしば見られた。

 象徴的なのは、2013年。単勝1.2倍という圧倒的な支持を得ていたゴールドシップが5着に沈むなか、11番人気のヒットザターゲットが1着となって大金星を挙げた。

 単勝配当が1万6620円。さらに、2着に7番人気のアンコイルド、3着に2番人気のトーセンラーが入って、3連単は361万9290円の超高配当となったのだ。

 その他にも、5番人気のメイショウカンパクが勝利し、7番人気のオウケンブルースリが2着となった2012年や、4番人気のスマートレイアーが1着、6番人気のトーセンバジルが2着に入って、断然人気のシュヴァルグランが3着に敗れた2017年など、波乱が起きて馬連や3連単などで高配当をつけた。

 ということで、今回も穴狙いに徹して、過去10年の結果を参考にしながら、激走ムードが漂う伏兵馬を探し出してみたい。

 まず目立つのは、重賞勝ちがあり、長く重賞戦線で奮闘してきた馬の活躍。普通、そういう馬であれば、人気になるはずだが、過去に穴を開けた馬の多くは、主に前走のGIで大敗を喫し、そこからの休み明け、という2点から評価を落としていた。

 先述のヒットザターゲットは、まさにそのパターン。それまでにGIIIを2勝していながら、前走となる6月のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)で11着と惨敗し、京都大賞典はそれ以来、約3カ月ぶりのレースだった。

 2015年に5番人気で3着となったカレンミロティック、翌2016年に6番人気で2着に入ったアドマイヤデウスらも同様だ。前者はGIIを1勝、GIでも2、3着に入った実績もあったが、前走の宝塚記念で13着と惨敗。後者はGIIを2勝していたが、前走のGI天皇賞・春(京都・芝3200m)で9着と敗れていて、各々そこからの休養明けで京都大賞典に挑んだ。

 これら3頭とも、直前のGIで馬群に沈み、休み明けだったために人気薄となったが、逆に、その休養中にうまく立て直しを図れたのだろう。その結果、本来の実力を発揮して、穴馬券を演出することができたのではないか。

 今回、そのパターンに当てはまりそうなのは、スマートレイアー(牝8歳)とアルバート(牡7歳)だ。

 スマートレイアーは、重賞4勝を挙げているベテラン牝馬。GI戦線でも奮闘してきたが、今春のGI3戦では振るわず、前走の宝塚記念(6月24日)も10着と大敗。ここは、それ以来の一戦となる。

 すでに8歳となって、上積みも見込めないため、さすがに人気にはならないだろう。それでも、昨年の覇者で舞台適性は高い。休養中にうまくリフレッシュできていれば、上位争いに加わる可能性は十分にある。

 一方のアルバートも、重賞4勝の実績馬。いずれも3000m以上の長距離戦だが、それ以下の距離でも重賞での好走歴がある。

 そんなアルバートも、前走の宝塚記念で13着と完敗。そこからのぶっつけとなるため、上位人気は望めないが、今回、わずか200mでも前走より距離が延びるのはプラス材料となる。そのうえ、鞍上は”マジックマン”の異名を持つジョアン・モレイラ騎手。一発あっても不思議ではない。

 京都大賞典で目につくパターンは、もうひとつある。ほぼ休みなく、コンスタントに重賞やオープン特別を走り続けてきた馬がここで覚醒する、というケースだ。

 いい例が、2012年に5番人気でレースを制したメイショウカンパク。同馬は、その年の春先から7戦連続で重賞を使われてきて、8戦目のここで見事に勝利を飾った。

 その他、2008年に4番人気で勝ったトーホウアラン、2009年に7番人気で3着となったトーセンキャプテン、そして2013年に7番人気で2着に入ったアンコイルドなども、似たようなタイプだ。

 それぞれ、重賞やオープン特別では”常連”のような存在だったが、そこで勝ち星に恵まれなかったため、低評価にとどまっていた。しかし、この舞台で突然躍動。波乱の一端を担った。

 このパターンで今回狙えそうなのは、ブレスジャーニー(牡4歳)だろう。


京都大賞典での大駆けが期待されるブレスジャーニー

 2歳時に重賞を連勝したあと、故障で長期休養を強いられたが、昨秋のGI菊花賞(12着。京都・芝3000m)で復帰すると、その後は重賞やオープン特別でコンスタントに使われてきた。この夏場も3戦して、京都大賞典は休み明け4戦目となる。

 その間、馬券に絡むような結果を残していないため、ここでは人気を落としそうだが、調子は確実に上向き傾向にある。3走前のオープン特別・巴賞(7月1日/函館・芝1800m)で5着に終わって以降、GIII函館記念(7月15日/函館・芝2000m)、オープン特別の丹頂S(9月2日/札幌・芝2600m)と続けて4着と健闘している。

 そうした近況に加えて、過去にここで大化けした重賞”常連馬”がいることを踏まえれば、同様の過程にあるブレスジャーニーの激走があってもおかしくない。 このあと、翌週からは年末までGI戦線が続く。その資金を稼ぐためにも、ここに挙げた3頭で思い切った勝負を試みてはどうだろうか。