俳優の山田孝之がプロデュースを務める映画「デイアンドナイト」(来年1月26日公開)完成披露報告会が5日、都内で行われ、主演の阿部進之介、安藤政信、清原果耶、藤井道人監督、山田が登壇した。

「人間の善と悪」をテーマとした完全オリジナル作品。家族の命が奪われ、自らの善悪に翻弄される者たちを描く。企画・原案にも関わった主演の阿部は、自殺した父の復讐へ駆られていく幸次を熱演。父親同然に養う孤児のためなら犯罪にも手を染める北村役に安藤、北村がオーナーを務める児童養護施設で生活する少女・奈々役に清原を起用した。

本作は2013年に藤井監督と阿部が企画を練っているところに山田がプロデューサーとして加わり、制作・公開の運びになった。俳優として活躍しながらも、本作に一切出演せず裏方業に徹した山田は「最近変な仕事ばかりしていて危機的状況に陥っていた。自ら映画を作ればなんとか存続できるのではと思い、阿部ちゃんと藤井くんが企画を練っているところに入り込んだ」とユーモアを交えて紹介。「才能ある方が集まっていいたので僕は『どうですか?』と聞かれて『いいですね』と言っただけ。大したことはやっていません」と語った。

プロデューサー業に興味を持ち始めたのは約10年前から。山田は「俳優としてやらせていただく中で疑問や不満に思うことがあって。なぜそう状態が起きているのか知って、後輩たちに不満に思わせないことができるのではと思ったのがきっかけ」という。ただ、10年前は経験不足を理由に「出来る状態ではない」と判断し、「30代になってから、まず一歩を踏み出してもいいんじゃないか」と思い、今回の挑戦となった。

安藤のキャスティングは山田自らオファーしたが、清原は唯一オーディションで決定した。「書類選考から500名参加していただいて、会場には100人来ていただいた。単純に、清原さんが1シーン演じてくれたとき、奈々だった。圧倒的に奈々だったんです。見つけたという喜びと、清原さんが奈々を最初から汲み取ってくれた喜びで、まさか泣くという」と清原の才能に脱帽。さらに「専属契約を結びたい。ただ、僕くだらないこともしちゃうんで事務所さんがNGかもしれない」と笑った。

撮影は昨年11月、極寒の秋田県にて敢行。清原は「本当に寒くて。いつ窓を見ても雪が降っているくらい。何よりご飯がおいしかった。毎回炊き出しの方がいらして美味しいご飯作って迎えてくれたのが支えになっていた」とにっこり。また「撮影の記憶があまりない」というが「作品に向けて大きい熱量を持って撮影できていたという記憶はあるので、それは素敵なことだった」と振り返った。

同作は来年1月19日に秋田県で先行公開され、同月26日に全国で封切られる。