今大会初出場となったGK佐々木雅士(柏U-18)と、3試合ぶり出場のDF石田侑資(市立船橋高)

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[10.4 AFC U-16選手権準決勝 U-16日本代表 3-1 U-16豪州代表 マレーシア]

「出るからには自分が一番手のGKだと思ってやる」

 AFC U-16選手権マレーシア2018準決勝、今大会初出場となったGK佐々木雅士(柏U-18)は、そんな熱い気持ちを胸に秘めてピッチに立っていた。

 一方、3試合ぶり出場のDF石田侑資(市立船橋高)は試合前日、こう語っていた。

「(準々決勝に勝って)U-17W杯出場が決まったときは凄くうれしい半面、そのピッチに自分が立っていない悲しい気持ちも湧いてきていた。選出されたからにはあの場に立って戦いたい。その気持ちをぶつけたい」

 準々決勝から先発メンバー7名を入れ替える大胆な準ターンオーバー作戦に出た森山佳郎監督が期待していたのは、まさにこうしたメンタリティだろう。この策は、グループリーグの第2戦では思うように機能しなかった策であり、リスクもあった。だが、迷うことなく選手を信じ、「ベンチで溜めていたモノを爆発させてほしい」と語っていた指揮官の狙いを、新たにピッチへ立った選手たちがしっかり体現してみせた。

 開始8分に痛恨のPKから失点するという試合の流れ自体は最悪に近いもの。佐々木も「あのPK、絶対に止めたかった」と悔しがったものの、「あのあと、みんなで下を向くことなくやれたのは大きかった」と振り返る。序盤からオーストラリアにペースを握られる流れとなりながら、前半の残り時間「チャンスはほとんど作らせなかった」(佐々木)上で、「相手の足が止まってくる時間まで戦えた」(石田)ことが一つの勝因となった。

 開幕から2週間余りが経過する中で、出番の少ない選手たちは気持ちの持って行き方が難しい部分が少なからず出てきている。ただそれでも、練習から「まったく(モチベーションは)落ちてないです!」(石田)と取り組み続け、いざ出番が来れば「やってやろうという気持ちだけ」(佐々木)でしっかり戦い抜いて勝利を手繰り寄せてみせた。

 U-16日本代表は一時体調不良で戦線を離れていたこともあり、ここまで出番のなかったDF田島詳基(清水ユース)も交代で出場し、登録メンバー23名全員がピッチに立つこととなった。まさに全員で掴んだ決勝戦への切符。あとは「決勝もみんなで勝って、チャンピオンになる」(石田)ことで、世代として強さを証明するフィナーレを飾るのみとなった。

(取材・文 川端暁彦)