今年(2018年)のノーベル医学・生理学賞に決った本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授の研究がもととなって開発された、がん免疫療法の治療薬「オプジーボ」で治療を受けている男性に「とくダネ!」が話を聞いた。

佐々木生一さん(50)は3年前に肺がんと診断された。肺に直径12センチの腫瘍があり、ステージ靴噺世錣譴拭腫瘍が大きいため手術は難しく、抗がん剤治療も効果がなかった。「もうあかんのかなと思っていたところで、オプジーボという話が先生からありました」という。

オプジーボを3か月間投与すると、がんは徐々に小さくなり、現在は仕事に復帰できるまでになった。本庶教授のノーベル賞受賞について、「こうですよね」とガッツポーズして見せ、「仕事に就けるようになったんで、もう感謝しかないですね」と話した。

効果あるのは3割。費用は1か月100万円

オプジーボは特定のがん細胞に対する免疫を活性化する薬で、手術、放射線治療法、抗がん剤治療に続く「第4のがん治療」と呼ばれる。抗がん剤が効かない患者にも効果が見込め、副作用が少なく、通院での治療が可能だ。

しかし、効果がある患者は3割程度で、それも使用してみないと効くかどうかわからない。1か月あたり約100万円と費用がかかることもネックの一つとしてある。

本庶教授を20年以上にわたって取材してきた日経BP社の宮田満氏は、「オプジーボはがんを完治させることができる初めての薬なので、その価値に応じた価格は当然ですが、ノーベル賞で注目度が上がると価格も下がります。そうなると、効かない7割の患者さんにものすごい費用を投じなければならない。効く患者をいかに見つけるかという研究が肝になります」と解説した。

コメンテーターの深澤真紀(獨協大学特任教授)「私は昔から本庶先生のファン。先生は『いのちとは何か』という本の中で、幸福というのは何かで満たされていることではなく、不安や不満が減るという状態であるとおっしゃっています。

今回の発見は、まさに私たちが将来がんになったらどうしようと感じる不安を減らしてくれるものですよね」