オマーンを破り、U-17ワールドカップ出場権を獲得したU-16日本代表。一発勝負はやはり一筋縄ではいかなかった。写真:佐藤博之

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 U-16アジア選手権の準々決勝・日本対オマーンの一戦。2-1と日本のリードで進んだ試合を締めくくったのは、キャプテンのCB半田陸の気迫溢れるプレーだった。
 
 責任感が強く、かつ温和な表情でチームを和ませられるチームの柱は、勝てばU-17ワールドカップ出場が決まる重要な一戦で、最後まで仲間を信頼し、集中力を保ち続けた。
 
「試合前のアップからみんなで声を出せていましたし、前日練習もすごくいい雰囲気だった。森山監督からも『勝つチームは雰囲気がある』と言われていたので、その雰囲気が少しはあったと思います」
 
 手応えを感じながら臨んだ決戦だったが、やはり相当にタフな戦いだった。立ち上がりから日本がペースを握りながらも、時折繰り出されるオマーンの鋭いカウンターに手を焼いた。
 
 1-0のリードで迎えた22分には、左サイドをMFオマールに簡単に崩されてしまった。オマールのパスを受けたMFアル・ザハルにフリーでクロスを上げられると、ファーサイドで待ち構えたMFタリクにヘッドで押し込まれた。
 
「オマーンの選手の攻撃はすごく迫力があったので、一発でやられないように常に準備をしていました。でも、失点のシーンは失い方も悪くて、さらにボールに行ききれなくて運ばれてしまった。そういうところから始まってしまったので、スペースにもっと人を上手く置けたら防げた失点でした」
 
 チームにとっては痛い失点だったが、これでさらに集中のスイッチが入った。攻撃陣が何度も迎えた決定機をモノにできず、じれったい展開となったうえに時折発動されるカウンターが守備陣にかなりのストレスとなったが、半田を中心にこれ以上崩れることはなかった。
 
 そして81分に途中出場のFW唐山翔自が待望の勝ち越しゴールを叩き出すと、後半アディショナルタイムにオマーンが高速カウンターを仕掛けた。FWクサイ(QUSAI)がドリブルで持ち込んでシュートを狙ったが、全速力で戻って来た半田が身体を投げ出してブロック。まさに気迫のシュートブロックで、試合を2-1で完結させた。
 
「あれ(シュートブロック)はもう普通です。正直、今日は僕自身そんなに調子が良くなくて、ヘッドも何回かかぶっていたので、そこで絶対に最後まで集中を切らさないように、絶対に守り切る気持ちを持ち続けてプレーしました。なので、最後は身体を投げ出せました」
 
 闘将・森山佳郎監督の下でキャプテンマークを巻く以上、闘志を剥き出しに戦うのは当たり前。そう言わんばかりに半田はこう言って充実の表情を見せた。
 
 準決勝の相手はオーストラリアに決まった。すでにU-17ワールドカップ出場は手にしたが、それはあくまで『最低目標』だ。「アジアチャンピオンとしてワールドカップに出ることを目標にしているので、気を引き締め直したい」と半田は言い切った。
 
 来年のU-17ワールドカップでも名誉あるキャプテンマークをその左腕に巻くために。半田陸は最後までチームの先頭を走り続ける。
 
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)